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新世紀陰陽伝セルガイア

最終回までのあらすじ※ネタバレ注意

かつて この世には

魔物と呼ばれし悪鬼から 人々を救うことのできる唯一の力を持つ者たちが存在した

『白毫使い』

彼らの神話が今ここに 新たな幕を開くのだ……。

新世紀陰陽伝セルガイア

~あらすじ~


序章【開眼】

 
 2011年の鎌倉。物語はここから始まる。中学二年生の主人公「八神炎(やがみえん)」は、小さい頃から幽霊が見えた。それ以外にはなんのとりえもない彼は、唯一のその特技を活かし、人の役に立ちたい、そして憧れの霊媒師コンビ「ナイトメア・バスターズ」のような人々から慕われる存在になりたいと夢見ていた。だが、明らかにふつうの生徒と比べ逸脱した行動を取るが故、彼は日々いじめの対象となっていた。

 この日も不良の「桐谷」にいじめられるエン。幼馴染の「姫屋舞人(ひめやまいと)」や、舞人の許嫁で、エンも密かに想いを寄せている「夜野鈴音(よるのすずね)」に助けられる始末……。その夜、日中に桐谷から言われた「今夜心霊スポットの『腹切りやぐら』まで来い。スズネにちょっかいを出されたくなかったら、幽霊がいる証拠を見せろ」との言葉に従い、現地に赴くエン。そこに霊は現れなかったが、桐谷の軽率な行動により、魔物が復活してしまうのだった。

 魔物は実体を持った悪霊であり、人の魂を喰らって生きる凶悪な存在だ。そしてそれは陰陽師でも倒せず、封印する事しかできないもの。突如出現したそれから逃げ惑う一同だったが、ついに桐谷が魔物に捕縛される。その光景を見たエン。「何の取り得もない僕こそ死ぬべきなんだ!」と桐谷の身代わりとなる。退散する桐谷。エンは「一巻の終わり」だと思った。しかしその時! 突如謎の二組の霊体が現れたかと思うと、彼の額に紅く輝く第三の眼が出現し、右手には真紅の刀を握りしめていた。

 見事魔物を倒すことに成功したエンは疲れ果て、その場に倒れこんだ……。その光景を一人の男が見つめていた。そしてその男は「ついに現れたか、新たなる白毫使い」という言葉だけをいい言い放つのだった……。


第一章【爆炎】

 
 翌日、エンが目を覚ますとそこは彼の自宅だった。どうやら昨夜の出来事は夢だったようだ。下校時、再び桐谷にいじめられるエン。どうやら桐谷は昨日の事を覚えていないらしい。やはり夢だったのかと複雑な気持ちになるエンだった。その日は家に帰らず、エンが幼い頃から世話になっている霊媒ばあさん、「八雲」の所に向かった。家に帰っても、自分をいびる義母しかいないからだ……。そこで八雲は「そろそろお前にもあの技が使えるかもしれぬ」と、エンに悪霊と戦うための秘術「真言波」を伝授する。しかし、エンはこの秘術を使いこなせなかった。気を落とすエンだったが、ヤクモに小遣いを貰い、行きつけの蕎麦屋「陰陽庵」に向かった。

 夕方、好物の『きつねそば』をすするエンの元にやって来た幼馴染の舞人に連れられとある『古寺』にやってくる。エンの事を唯一信じる舞人曰く、「以前落としたスズネにもらったハンカチを霊感を使って探し出してほしい」との事。願いを叶える為に現場の幽霊に助言をもらいながらハンカチを探すエン。残念ながら霊感のない舞人に幽霊は見えなかった。

 ハンカチは寺の境内の祭壇で、何かに覆い被さっていた。ハンカチをどかした拍子に、その何かが地面に落ちる。それはエンの愛読するオカルト雑誌「月刊オカルティカ」に掲載されていた曰く付きの香炉であった。落ちた香炉が割れると、なんと中から魔物の霊魂が現れ舞人の体に憑依してまった! 霊感はあってもまだうまく除霊できないエン。成す術無し! そう思ったとき、駆けつけたのは憧れのナイトメア・バスターズ(以下ナイバス)の二人、宝蔵院隼斗と大道寺番であった。しかし、封印されていてもハンカチを動かすことが出来るほどの強い霊力を持っていたその魔物に苦戦するナイバス。早くしなければ憑依されている舞人の身が危ない。とっさに助太刀に入るエンだったが、その為に事態はより悪化。舞人の体から引きはがす事はできたが、魔物は消息を絶ってしまう。ナイバスに咎められるエンだった。

 魔物とは、無差別に人間の魂を貪り食うだけの危険な存在。ナイバス曰く奴が次に現れるとしたら後日ある夜桜祭りの会場。そこで多くの魂を一挙に喰らうであろうとの事だった。ナイバスの会話を遠巻きに聴きながら、舞人を病院に送るエン。そこでエンは、舞人に諭される。「皆にちやほやされたくてナイバスのようなヒーローになりたいなら見当違い。ヒーローとは、たとえ無理とわかっていても責任を果たすために必死に戦う者の事だ」と。そしてここでエンの想いが変わった。舞人の身を危険にさらした責任を果たすため、そして、来たる数日後の厄災に対抗すべく、エンは八雲にアビラの修行を付けてもらうのだった……。

 しかし魔物再出現まで刻一刻と時間が迫る中、エンは真言波を未だ使いこなす事ができずにいた。そしてついに夜桜祭りに魔物が現れる。ナイバスが駆けつけるも苦戦を強いられる。そこにエンも駆けつける。「何しに来た」と嫌煙されるエン。その目の前で戦うハヤトの額にはあの第三の眼が輝いていた。驚くエンは詳しく話を聞こうと詰め寄るも、激化する魔物の攻撃に苛まれる。エンは八雲との修行の成果を見せるべく戦いに加勢しようとするも、ハヤトに止められる。どうやらハヤトはエンの事が気に入らない様子。だがここで、バンがエンに「妖力増強陣羽織」なるものを手渡す。これは、纏った人間が他人からは別人として認識される代わりに当人の霊力を高め、傷をも癒せるという代物だった。それを羽織ると戦いに加勢するエン。しかしその最中、ナイバスは魔物の攻撃をくらい倒れてしまう。自らの責任を強く感じたエン。その時! 彼の額にあの第三の眼が開眼するのだった! 
 先日の出来事は夢ではなかった。見事アビラを放ち、そして手にした刀で魔物に勝利するエン。ナイバスを助けるとその場で気を失うのだった……。

 次の日。エンが目を覚ますと再び自宅の布団の中。やはり夢かと複雑な心境のエンだったが、テレビから流れてくる昨夜の映像には魔物と戦う自分の姿が! 夢ではなかった! 学校に向かうとその出来事を自慢げに話すのだが、昨夜の人物がエンだと分かってくれる者は一人もいなかった。あの羽織の効力の影響だった。しかし、誰にも評価されないその現状に嘆いていたであろうかつての自分はもういなかった。自分の力で人助けができた。エンの顔には僅かばかりの笑みがこぼれていた……。

 
 その日の朝礼。エンは驚愕の事実を知る。舞人が心臓発作で亡くなったというのだ。明らかに昨夜の事件が原因だった。葬式に参列するエンは、自らの責任で唯一の親友を失った事に深く嘆いたのだった。しかし、葬式が終わり寺を後にしようとしたエンの前に舞人が現れる!  驚くエン。舞人は幽霊になっていた。どうやらこの寺にある闇のせいで成仏できないとの事、エンはその闇を払おうと奮闘するも、それを刺激し魔物へと変化させてしまう。あの第三の眼の力で対抗しようとするも、開眼せず。そこに現れたのは八雲であった。エンに陣羽織を渡すと第三の眼が開眼した! どうやら八雲はエンに宿った能力の事を知っているようだった。八雲がエンに戦い方を伝授すると、見事魔物を倒すことに成功する。エンに感謝し成仏する舞人であった。そこに遅れて現れたナイバス。八雲に咎められる二人。何と双方知り合いであった。

 その後、八雲の住む『八雲神社』に赴く一同。そこでナイバスが行きつけの蕎麦屋の二人だったことに驚くエン。そして、八雲により第三の眼について詳しく説明を受ける事に。 
 それは『陰陽白毫』と呼ばれ、この世で唯一魔物に対抗できる武器を生み、さらに覚醒者毎に何らかの特殊能力が顕現するという物だった。そしてエンは人知を超えた跳躍力を有する『跳躍白毫』の能力者であった。そしてそれは、大地の光を体に受けることで覚醒する新たな細胞。ナイバスの二人はこれを『セルガイア』と呼んでいた。しかし、エンが覚醒したときには大地からの光など得なかったことを伝えると一同は驚愕した。なぜこの力がエンに宿ったのかはわからなかったが、八雲曰く「魔物再び現れし時、白毫使いもまた現れる」という伝承が存在しており、彼女はその人物の開眼を待ち小さい頃からただならぬ霊力をはらんでいたエンに目をつけこの日が来ることを心待ちにしていたようだった。
 だがその事実にハヤトは眉をひそめた。やはりハヤトはエンの事を認めていない様子。さらにハヤトはこれまで世の人々の混乱を防ぐため魔物との戦いをひた隠しにし、信頼するバンと共にたった二人で戦っていた。エンが開眼した翌日に自宅で目が覚めたのも、ハヤトによる「夢と思わせる計画」であった。しかし、八雲やバンは「そろそろ公に事実をさらすことで多くの人の手助けを得るべき」と考えており、エンもこの気持ちに賛同したいと感じていた……。そしてこの日から、エンはナイトメア・バスターズの一員になるための奮闘が始まった。
 そんな一同を遠巻きに見つめる怪しい影が存在した。その者の首には、ぐるりと一周する程の特徴的な赤い傷跡があるのだった……。

 
 度重なる戦いの中で、ナイトメア・バスターズの活躍や、陰で暗躍する宗教団体『織戸幸愛会』の存在を知る。そして数々の退魔の経験を重ねていくエン。しかし、一向にエンの助太刀を許さないハヤト。彼の本心は「人の死がかかわるこの辛い戦いに身をやつすのは自分たち(ナイバス)だけで十分」ということであった。そして、エンも本心を語る。彼は死んだ本当の母親に自らの力で会いたい。そう願っていたのである。ある日、それでも力を貸したいと詰め寄るエンをしつこく感じたハヤト。「そこまで言うなら、お前の力で式神を出してみろ」と言った。エンは、ナイバスの事務所にある観賞用のあざみの花に止まった一匹の蝶を見事式神にすることに成功し「アザミ」と名を付けた。しかし、思うようにもとに戻せない。それ以来、アザミはエンの式神となるのだが、うまく使いこなせない姿を見たハヤトはやはりエンの事を認めないのであった。
 その後、自分で生み出した式神にも関わらずうまくいかないことがあるとアザミのせいにして、二人の関係は悪化してしまう。そんな最中エンは八雲から「魔物が出現する頻度があまりにも多い、お前やハヤト達以外に戦いに関わっていた人物はいないか」と問われる。エンがスズネの名を挙げると、どうやら彼女は『渡良瀬ノ巫女』という、白毫使いをサポートする力を持つ存在だと判明する。それは、自らの寿命と引き換えに、あの世から死人をよみがえらせることのできる力を持つ存在。そして、白毫使いが傍にいるときその効力を最大限に発揮するためエンが近くにいるとスズネは魔物や悪霊から狙われてしまう。本人は由緒正しい家の者に守られ、霊力が存分に発揮できるようになる14歳の誕生日にその事実を知らされる。しかし八雲は事前にそれをエンに伝え、スズネを守ってやるようにと告げるのだった。エンはそれを伝える為スズネの家に赴くが、あまりに厳格な家柄のため中に入れてもらえない。しかし、そこに現れた桐谷はすんなりと通される。どうやら桐谷は、亡くなった舞人の代わりに許嫁になっていたようだ。しぶしぶその場を後にするエンだったが、突如スズネの悲鳴が。どうやら桐谷は以前エンが倒した魔物に憑依されおり、スズネを襲っているようだった。戦うエンだったが、突如憑依していた魔物が桐谷から抜け出した。しかしエンの刃はそのまま桐谷を貫いてしまい、桐谷は昏睡状態に陥ってしまう。それを目撃したスズネはエンを人殺しと呼び卒倒。そこに魔物が付け入り、巫女の血をすする事で現世に復活を果たそうと目論んだ。何とか魔物の狙いを阻止するエンであったが、桐谷を手にした刃で傷つけ、スズネをも危険にさらしてしまった自分を責めた。そしてスズネに事実を伝えることはおろか、戦いから身を引くことを決めたのだった……。

 数日後、八雲に呼び出されたエン。激化する魔物との戦いの対抗手段として『破魔ノ札』を渡される。これは、白毫使いが陽の気を纏って亡くなった際に変化したものである。装着時には万死に値する程の痛みを伴うが、見事扱うことが出来れば絶大なる技で魔物を屠ることができるとの事。エンに渡されたのは天からの一撃を加える技が込められた『朱雀避口舌』の札であった。しかし、戦いから退くことを決めていたエン。札を受け取らずにその場を後にする。そんな姿を見かね、日ごろからエンの事を気にかけていたバンはエンの気持ちを確かめるために一芝居打つ。アザミが魔物にさらわれたというウソをつきエンに助言。そして、指定した場にエンが現れるのか確かめた。エンは現れた。しかも朱雀避口舌の技を使ってバンが用意した偽の魔物を葬ると、アザミにこれまでの事を謝罪した。その姿を見たハヤトは、「次の仕事を手伝ってくれないか」とエンに頼むのであった。ナイバスのメンバーとして正式に認められた訳ではなかったが、純粋に喜ぶエンであった。

 
 次の仕事の内容は、ナイバス二人の回想から聞かされた(織戸幸会編+天与暗黒大地震編(魔物を第零話の寺に封印))。かねてよりナイバスが追っていた闇の宗教団体『織戸幸愛会』の幹部、御手洗信の目撃情報を追跡するというものであった。どうやらその者は平安時代の陰陽師『蘆屋道満』の復活を目論み暗躍しているらしい。道満は、魔物が支配する暗黒の世界の王として君臨しようと目論み、阿倍清明によって封印された悪の陰陽師。何としても食い止めなければ……。その一同の前に御手洗が現れ除霊の現場を爆破すると「これで準備は整った」とだけ言い残しその場から消え去った。御手洗の足取りがつかめず苛立つ一同。その時、突如アザミの体が光りはじめ、瞬く間に大人の女性の姿へと変貌を遂げた。彼女は安倍晴明の妻であった『リカ』という人物(この時は渡良瀬の巫女リカとしか名乗らない)で、あの世からの伝令を持ってきたという。そしてリカは一同に驚愕の事実を伝える。これまでナイバスとエンが倒した魔物は御手洗が復活させたものであり、それを倒したおかげで蘆屋道満復活の鍵になる天高くそびえる塔『東京スカイツリー』への霊道が開けたというのだ。「何としても食い止めてほしい」と言い残すと、アザミは元の姿に戻った。今起きたことは覚えていないようだった。一同は御手洗を追いスカイツリーへと急ぐのだった。

 

 御手洗はスカイツリーの前で、呪物『芦屋道満の左腕』を用いて道満復活の秘術を行う。御手洗との戦いは民間人をも巻き込みながらの激戦となった。そこには、エンの愛読書であるオカルティカの編集者達も含まれていた。オカルティカのメンバーとナイバスは以前、雑誌の取材で何度も会っていた事があったが、ハヤトの呪術で記憶を消されたオカルティカのメンバー側はその事を覚えていなかった。戦いの中で、バンもセルガイアの力で立ち向かう。彼も白毫使いであったが普段は能力をうまく使いこなせないだけであった。しかし、その甲斐もなく次々と御手洗の凶刃に屈する一同。そしてついにハヤトをかばったエンは命を失ってしまうのだった。しかし、あの世で出会った不動明王の力により、108回だけ神の鎧を纏って現世に現れることのできる『変神』の能力を得て復活したエン。しかし戦いで負傷したハヤトが、「お前をナイトメア・バスターズの一員として任命する」「笑顔でいろよ」という言葉を残し絶命(白毫使いは一度なら蘇ることが出来るが、ハヤトは以前に一度死んでいる)。激高したエンは変身し、強者となったことを象徴するような独特な構え(重要な伏線)を見せ戦う。そして見事御手洗を倒す事に成功する。だが、御手洗の策略はすでに進行しており蘆屋道満は復活を果たしてしまうのだった。エンはこの事実を自らの責任ととらえ、霊体のまま打倒道満を誓い消息を絶った。そして、その光景をひっそりと、あの『首に傷のある男』が見つめていた……。

第二章【紅蓮】

 ここから道満側の情景を描くとき、必ず鎖を爪で断ち切ろうとしているシンガの様子を描いておく。

 宙に浮く巨大な遣唐使船と共に復活した蘆屋道満。晴明に封印されていたこの怨敵は、これまで『幽世(かくりよ)』という次元に飛ばされていた。そこは封印された魔物の巣窟であり、無限とも思われる時を魔物に襲われながら、復活を虎視眈々と狙い時を過ごしていた(尊愚が開発したバリアを船に張っていた)。遂に復活を果たした道満は未覚醒状態の最強の白毫『命脈白毫』の力で呪物となっていた自らの左腕をつな繋ぎなおした。そして多くの人間を『邪眼使い』という傀儡に変え、未来永劫道満に尽くす奴隷にすることで人類の頂点に君臨し永遠の命を得ようと目論んだ。その野望を果たすには、恐怖を感じて邪気に満ちた人間の魂『禍魂(まがみたま)』を大量に集める必要がある。道満は富士山頂に船を移動させると、秘術によって幾層にも重なる黒雲によってそれを覆い隠し、野望を成就せんと行動を開始するのであった。
 彼が率いる『道魔』達。彼らは日中の日の光を苦手としている夜になると至る所に出現するようになり、『禍御霊』を集めるために出歩く人々に恐怖を与えた上で殺害することを繰り返していた。そのため皆早く就寝するようになり、皮肉にも夜空には満点の星空が見られるようになるのだった……。
 
 その後政府により、「富士山頂に現れた船や黒い雲は、スカイツリー建設終了を知らせるサプライズ演出であり、プロジェクションマッピングで空に投影されたものだ」と発表された。どうやら国会にも『織幸愛会』の息のかかった人物がいるようだった……。

 一方ナイバスのバンは、オカルティカの出版元である『霊求社』に所属し、編集長兼社長のコトネ・専属霊媒師のイタコ・『妖怪マンホール小僧』を追う記者ライタ・必ず心霊写真が撮れてしまう写真家ゲンゾウ達と共に魔物や霊に関する事件を追いながら、バンはついに幽霊が黙視できるバイザーを開発。消息を絶ったエンを探していた……。

 そしてエンは、アザミと、新たに相棒となった不動明王の息子『バザラ』と共に、霊体のまま魔物との戦いを続けていた。エンはバザラに気味悪がられながらも『努めて笑顔で』いる事を誓い、たった一人で魔物と戦う日々を送っていた……。

あの世で不動明王に言われた「神とは何か、その答えが見つかったとき、お前に真の力が目覚めるであろう」という言葉が気になっていた。だが、早速道満を倒すために跳躍の力を使い、遣唐使船に乗り込もうとするエン。しかし見えない力に弾かれてしまう。八雲曰く、遣唐使船のバリアを破壊できるのは、伝説の霊剣『布都御霊剣』のみであり、この時代で唯一扱うことができたハヤトはもうこの世にはいない。そこで八雲から、「他に目覚めているはずの十一人の白毫使い(以下「伝説の白毫使い」)を探し出し、味方につけよ、さすれば霊剣を扱えるだけの力を得られるであろう。そして、その者達はお前と同じように白毫の周囲に模様があるはずだ」と伝えられるのだった。その時八雲がエンに見せた巻物は、途中で破れ最後まで読むことが出来なかった。エンはその先に何が書かれているのか気になり八雲に質問するのだが、その先の行方は八雲自身も知らないようだった……。 (ここで八雲によって2つ使命をつかわされる①白毫使いの捜索②スズネを宮から引き離し味方に付ける)

 数ヵ月後、巷で「宙に浮く刀」が目撃されたとの情報を受けたナイバスのメンバーは、それが霊体となってもなお戦い続けるエンの事だと悟り行方を探し再会を果たす(冥界の桜の話。外での戦闘でムラサメ初登場させてもいいかも)。そして、エンはある戦いの中で相棒の『バザラ』に認められると、不動明王の計らいで新たな肉体を手に入れ復活を果たす。しかし、その新たな肉体は自らの素性を隠すあの『陣羽織』と一体化していた。エンはこれを機に『八神』姓を捨て『迦楼羅炎』と名乗り、バンと共に『霊求社』に所属した。

 
 霊求社で新たな事実を知るエン。なんとスズネが編集長の妹だったのだ。スズネは子どもの頃から感じていた自分の霊力を活かし、姉のコトネにオカルトネタを提供していた。そしてそれは、突然家を出て行った姉の身を案じての事だった。スズネは渡良瀬ノ宮の次期巫女である。本人はその事実をまだ知らされてはいないのだが、箱入り娘として育てられた彼女にはあまりにも“自由”がなかった。そんな彼女が唯一信頼を置く運転手『土御門京介』と共に、いつものように姉の元へと訪れたのだった。(宮のしきたりで、オカルト的な依頼解決のため利益がでる事であれば外出を許可される)

 しかしこの日、桐谷を昏睡状態に陥れた“人殺し”のエンが力を貸している事実を知りスズネは出て行ってしまう。そしてそのことに心を痛めたエンもまた「やっぱり一人で戦う」と言い残し出て行くのであった。

 その夜、エンは不穏な邪気を感じ取りある寺に赴いていた。そこには、道満の手先である道魔法師の『尊愚』と、道魔武者の『斬鬼』がおり、寺に伝わる宝物を奪おうとしていた。その目的は分からなかったが、阻止しようと戦いを挑むエン。変神して戦うのだったが、斬鬼は今までの敵よりはるかに強かった。エンは斬鬼によって刀をはじき飛ばされる。すると、一気に体の力が抜けてしまった。能力者の武器である『白毫神器』は、扱う者の魂の半分を消費し具現化しているものだった。弾き飛ばされた刀は『魂響(たまゆら)』と呼ばれる人魂に変化していた。急ぎこれを回収しなければ、白毫使いの魂は『幽世(かくりよ)』と呼ばれる魔物の巣窟に飛ばされてしまう。そして、能力者としての使命を果たせなかった罰として、そこで数多の魔物と戦いを強いられてしまい、敗北すれば自らも魔物となってしまうのだ(救う方法はあるがそれは後述)。尊愚よりその事実を聞かされ焦るエンだったが、もはやエンの力は尽きかけていた。その時だった。そこにバンとスズネが助太刀に現れる。「勘違いするな、これはお前のじゃない。“俺達”の戦いだ」と言い放ち加勢するバン。そして、そんなおせっかい焼きのバンに説得されたスズネも、今まで魔物から救ってくれた借りを返そうとエンを抱きかかえ、『魂響ノ炎(たまゆらのほのお)』に変化した刀を取りに向かうのだった。

 刀を取り戻したエン。再び闘いに戻るも、宝物を発見し目的を果たした道満の手先二人はその場から消えようとしていた。何とか尊愚に切りかかるエンだったが攻撃が効かない。その見た目から魔物だわれた尊愚は実は人間であった。番は斬鬼の隙を付き、銃で攻撃。斬鬼は致命傷を負う。尊愚は宝物を奪うと、斬鬼と共にその場から消えるのだった……。

 宝物は奪われてしまったが、白毫の刀が人間には効力を発揮しないということを知ったエン。桐谷を昏睡状態に追いやったのが自分の攻撃によるものではなかった事に安堵した。そして、助けに駆けつけてくれたスズネに対しひと言だけ「ありがとう。キミに認めてもらえなくても、これからも君の事は僕が守るから」と伝えるのだった。

 数日後、やはり関係がギクシャクしているコトネとスズネとエンを見かね、バンの提案によりオカルティカのメンバーで温泉旅行に出かけることに。メンバー一同日ごろの疲れを癒そうとするが、やはりスズネが温泉施設で魔物に襲われてしまう。しかもエンが魔物に操られ、体の自由が奪われてしまう。そしていよいよスズネに斬りかかろうとするエン。しかし、間一髪のところでエンの強い意思がそれを食い止める。その行動を見たスズネは、「守りたい」というエンの強い気持ちを知り改めて感謝するのだった。(この時からスズネは少ずつエンに対して恋心を抱き始める)

 しかしそれ以降も、エンはスズネと行動を共にすればするほど魔物からの襲撃は日を追うごとに激化していった。そんな中さらにナイバスの先行きに暗雲が立ち込める。かつて『織戸幸愛会』の教祖を殺害した罪、そして、一連の魔物に関する事件の首謀者としてナイバス、特にエンは警察から追われる身となっていた。そして対策本部が立ち上げられ、担当刑事となるも一向に魔物の存在を認めない『風間ブロム』。片や全てを信じる女性刑事『柊つばさ』たちから執拗に追われるようになるのだった。(ブロムとの出会い・~鏡越しの怪~の最、必ずツバサが警察署の練習場のシーンで銃の扱いに長けていることを描いておく)。オカルティカのメンバーは共謀の容疑がかけられるがエンの機転でうまく掻い潜り、結果的に雑誌の売り上げは爆上がりする。しかしエンは世間からはより一層指名手配犯のレッテルを貼られてしまうことに……。

 そんな中新たな味方が現れる。ムラサメと名乗る白毫使いである。彼女は分身の能力を有した白毫使いであり、ピンチの時に駆けつけてくれるようになった。しかし、魔物に攻撃を加えるたびに自分も傷ついてしまうという悲しき能力者。探している伝説の白毫使いではなかった……。

 程なくして一同は、物体を宙に浮かせ自在にコントロールできる力を持った『飛礫白毫』の能力者『光永雅(みつながみやび)』と出会う。彼は探している伝説の白毫使い一人であった(ミヤビ回、別紙参照)。エンは仲間に引き入れようとするがミヤビは戦いの最中魔物によって命を奪われてしまう。だが、彼は死に際に『破魔札』となりエンに力を貸すのであった。八雲曰く、“能力者が死に際に変化し出現する”この破魔札も、伝説の白毫使いと同じように世界に十二個存在できるのだという。それを手に入れることもまた、エンの力になると教えてくれるのだった……。(冥界の桜の時に同時にやっちゃっていいかも)。

 
 ある日、道満の軍勢に新たな動きがあった。これまで集めた禍御魂の力と以前奪った宝物の力を使い邪悪な心を持った一人の人間に目を付けると「邪眼使い」に作り変えた。そしてエン達の前に新たな刺客として送り込んできたのである。初めに現れた邪眼使いは元無差別殺人犯。エンから笑顔でいることの大切さを知って実践中のライタが電車内で襲われる。殺されそうになりながらも笑顔でいようと努めるライタをエンが救う。負傷する邪眼使いはエンから逃げようとするが、そこに突如道満の手先、道魔傀儡師『針我』が現れ、任務遂行に失敗した邪眼使いを殺してしまうのだった……。そしてこの事件をきっかけに、道満側が邪眼使いを送り込むようになった事を悟るのだった。

 邪眼使いとは闇の白毫使い。道満から永遠の命を与えられる代わりに、道満に禍御魂を供給し続けなければ餓死してしまう。つまり必然的に道満配下の殺人鬼となるのである。エン達は戦いを挑むが、相手は元人間。元に戻すには、白毫使いの刃で額の邪眼をえぐり取るしかない。何とか邪眼使いを救い出そうとするナイバス一同だったが、邪眼使いは尊愚が新たに生み出した呪物の力を使って巨大化。街を火の海にしてしまう。それに対抗すべく、エンとバザラは修行の末に新たな力、『大建神(だいけんじん)』を手に入れる。大建神は大山不動尊(おおやまふどうそん)の境内がバザラの力で霊力を得た物である。そしてそれは、エンを体内に取り込むと巨大な甲虫の姿に変化し、巨大化した邪眼使いと戦闘を繰り広げたのである。

見事戦いに勝利し、邪眼使いの救出に成功する。しかし、そこにも『針我』が現れ、任務遂行に失敗した邪眼使いを殺してしまうのだった……。

大きな戦いを終え、一度の安息を得たナイバス。ある日、オカルティカのファンの少女から「病気であと少ししか生きられません。早く次の号が読みたいです。」という内容の手紙が届く。エンはその子の願いを叶えようと提案するも、コトネは「その子のためだけに事前に発行しても一銭の得にもならない」と認めない。そんなコトネに、「必ず今日中に新しいネタを見つけてくるから特別号を作ってほしい」と頼み込み約束を交わすと、ナイバスのメンバーを連れて飛び出した。

エンは、専属霊媒師であるイタコの力を借りて新たなネタを探そうとするも、なかなか見つからない。それどころか、なんとイタコは何の霊感もないことが判明。一同は驚愕する。病院にいる少女に謝罪に向かうが、そこで死神(魔物)との戦いが起きる。病気の人間をジワジワと弱らせ、死期が近くなった人間の魂を好んで食らう魔物だった。倒すエン。それをネタにし事務所に戻ったのは、日付が変わる直前であった。見事約束を果たしたエン。そして、願いが叶い、特別号を読んだ少女は不思議と病気が完治してしまう。医者は驚愕したのだが、それは死神を制したエンのおかげであった…。

その件は落着したのだが、ある日、エンの誕生日祝いの席でライタが口を滑らせ、イタコが霊能力を持たないことが編集長のコトネにバレてしまう。そして、裏切られたコトネは怒りを露わにし、イタコにクビを言い渡すのだった。(スズネはこの誕生会にたまたま訪れ、エンの誕生日を初めて知る)

泣きながら事務所を飛び出すイタコ…。その姿を見た編集部のメンバーも、コトネに対し「いつからそんな利益優先の冷たい人間になったんだ」と愛想を尽かし、イタコの後を追って出て行った。エンとバンもコトネの対応に疑問を抱き、「彼女の今までのネタは嘘だったとしても、内容は素晴らしかったのに…」と、イタコを連れ戻すように説得を試みた。しかし、コトネは首を縦に振らない…。いつしか事務所には険悪ムードが立ち込めていた…。

そんな中、昏睡状態だったキリヤが病室で目覚める。目覚める前の出来事を覚えていたキリヤは今まで信じていなかった魔物の存在に気が付き、スズネが渡良瀬の巫女という存在であることも信じた彼は、尊敬していたが自殺してしまった父親を蘇らせようと目論んだ。
翌日、スズネは誕生日を迎える。先日祝えなかったエンの誕生日のことも兼ねて、自分とエンに誕生日のケーキを手作りし、京介にお願いして霊求社に向かうことに。夜には宮で巫女としての覚醒の儀式があるため(スズネは儀式の目的までは知らない)、それまでには必ず戻ることを条件に、編集社にケーキを持っていく。ケーキを造りながらルールに対して自問自答するしシーン)。しかし道中、キリヤに襲われる。助けて欲しくてエンの顔が脳裏に浮かぶスズネ。しかしエンは来ない。キリヤは父の遺灰にスズネの血を捧げると、それは魔物として復活。キリヤを体に取り込むと、生前父をいびった同僚に復讐すべくその場を後にした。
 魔物との戦いを終え編集社に戻ったエン達。付近で倒れているスズネを発見。事情を聴く。いきさつを話すスズネ。身を案じて欲しかったスズネ。しかしそれに対しエンは「ダメじゃないか、勝手に宮から抜け出して! 最近前にも増して魔物の出現率が上がってるんだ!」と、スズネを叱責する。それに対しスズネは泣きながら「怖かった」とエンに抱きつく。そんな彼女にエンは「ごめんよ。でも僕はスズネの為にも、一刻も早く魔物を残らず退治しょうと思って必死に頑張ってるんだ!」と訴える。言われたスズネは泣きながら走り去る。そしてエンはバンに怒られる。「それは……言わなくてよかったな」。

 
 すると、そこにすれ違いざま八雲が現れる。奇しくも今日はスズネの誕生日。いよいよ渡良瀬ノ巫女の使命を告げられる日であった。そこでエンに対しスズネを味方に引き入れられたかと問う。しかし未だ叶っていない事に対し八雲は血相を変えた。どうやら渡良瀬ノ宮の人間たちはスズネの事を、有名な霊媒師として、単なる金儲けの道具にする為に育ててきたらしい。そして、八雲は以前からその事実を、良く思っていなかったのだ。このままでは宮の人間の思うツボである!八雲はエンとバンを連れ出し渡良瀬ノ宮に向かうのだった…。

 一方その頃、イタコはひとり昔のことを思い出していた。ここで、なぜ自分に「霊感がある」と嘘をつくようになったのかが明らかになる(土御門舞の回、別紙参照)。そして、駆けつけたライタとゲンゾウの説得もむなしく彼女は、「舞との約束を守れない」「一人になりたい」と申し出る。

 …時同じくして、空っぽになった霊求社の事務所では、コトネが自身の通帳を手に取ると「…これだけあれば…。」とつぶやき、彼女も急ぎスズネの元に向かうのだった。

一方その頃、キリヤは父のもと同僚の一人に復讐を果たしていた。しかし魔物は満たされていなかった。人間の姿に戻るためには、更なる巫女の血がいるようだ。(白毫使いが傍にいなければいけない事は知らない)再びスズネの血の匂いを追ってキリヤが行動を開始した。 

 
 渡良瀬ノ宮では、すでに儀式が始まっていた。食い止めに入るエン・バン・八雲。しかし、スズネの口から意外な言葉が飛び出す。「話は聞きました、白毫使いの力は借りません。私はこの家に忠を尽くします」と…。八雲が説得を試みるも、スズネは黙り込んでしまう。その光景を見たエンは「分かった」とだけ言い残しその場を後にする。……その姿を背後に見送ったスズネの目には、涙が滲んでいた。

 飛び出していったエンは、「やはり自分という存在が近くにいる以上、スズネは魔物から狙われてしまう。僕はスズネに求められていない…。これでいいんだ…」と、自分に言い聞かせていた。
僅か後。宮にコトネもやって来た。「これだけの金があれば気が済むでしょ!スズネは私と暮らします!」と言い残し、強引にスズネの手を引き車に飛び乗るのだった。

 コトネはかつて、次期渡良瀬ノ巫女として手塩にかけて育てられてきた。しかし、14歳の儀式の日、コトネの能力が不十分であるということを知った老婆たちからの扱いが一気にぞんざいなものとなる。そして、次期の巫女と白羽の矢が立てられたのは、妹のスズネであった。初めはスズネの事を羨み目の敵にしていたが、やはり自身の妹。宮の悲しい定めからスズネを救いたいという気持ちが、だんだんと強くなっていった。それから数年後、コトネは不慮の事故により、宮の大切な宝物倉を火事で燃やしてしまう。勘当されたコトネだったが、彼女は清々していた。そして、自分の力で巨万の富を手に入れ宮の復興費用を工面するため。更には、スズネを金儲けの道具にしないために、大学時代の広報部の経験を活かし、編集社の社長として活躍していたのであった…。

 ……目的は達した。これからは、スズネと二人新たな人生を切り開こう。そう思いながらコトネはハンドルを握っていた…。すると、突然現れた魔物に襲撃されてしまう。キリヤだった!

 そんな中エンを見つけたバンが彼を諭していた。「求められなければ守らない…。お前はそんな人間だったか?」と。

  
 アクセルを踏み込むコトネ!スズネは咄嗟にエンの名を叫ぶ!だが、魔物の魔の手はすぐそこまで迫っていた!

 その時、そこに現れたのはバンの車であった。「逃げろ!」。その言葉に促され、再びアクセルを踏み込むコトネ。そして、助手席でふとバックミラーを覗いたスズネの目には、戦うエンの姿が映っていた。彼はスズネを守るために駆けつけたのだった!「スズネに見られないように車の影で戦うなんて、マセてんな…。」そういいながら、バンも戦いに加勢した…。
 キリヤと戦うエン。ここでキリヤの悩みを知る。キリヤは生前の父を敬愛していた。父から全く認められていなかったがエリートである父の「たとえ他人にどう思われようと、自分の信念を貫いていればいつか必ず高みに上り詰められる」という言葉も大好きだった。だが何者かによって命を奪われた父。キリヤは真相を知り復讐を果たしていたのだった! 戦うエン。何とかキリヤを取り込んだ魔物にダメージを与えたが、何とここで不測の事態に陥る。何エンの刀が魔物に弾き飛ばされ意識を失ってしまう…。魂が魔物の巣窟である「幽世(かくりよ)」に飛ばされてしまったのだ! 魔物は傷を癒すべく一時行方を晦ました。

 エンのピンチを聞きつけ駆けつけるイタコ・ライタ・ゲンゾウ…。八雲曰く、エンを幽世から連れ戻すには幽玄堂という場所に行き、渡良瀬ノ巫女による「渡良瀬の舞」を披露しなければならないという…。一同は早速幽玄堂に向かいつつ、バンはコトネに連絡を取り、スズネを連れてくるよう説得した。コトネは、スズネとの平穏な日々を望みこれを断るのだったが、スズネが一人飛び出し、式神あざみの瞬間転移の力を使って幽玄堂に向かうのだった。
 ここで魔物は再びスズネを襲う為の回復を待つ間、生前の父を殺した犯人に復讐することにした。魔物の心の内を読み解くと、その犯人が何処にいるのか伝わって来た。その人間達がいる場所にたどり着き問いただすキリヤ。ところがそこに母が現れ、事の真相を聞かされ驚愕する。父は生前詐欺や違法な仕事に手を染め、それが気に入らない連中によって殺害されていたのだ。認めたくないマイトはその連中を殺害し、やはり父を復活させようと躍起になった。

 幽玄堂を管理していたのは、一人の白毫使いであり、それはイタコが探していた人物『土御門舞』であった。定かでなかったその人物の生死が明らかとなり、喜ぶイタコ。イタコのそいを知っていたメンバーも喜んだ。しかし、一度の安堵もつかの間、スズネを襲った魔物が再び幽玄堂に現れ、屋根を突き破り侵入を試みてきた。とっさに結界を張るマイと八雲だったが、いつまでもつか分からない…。八雲は石のように硬化したエンを幽玄堂の真ん中に寝かせると、スズネに渡良瀬ノ舞を躍らせるため、舞い方の描かれた巻物を手渡した。

ところが、その巻物は虫食いだらけで肝心なところが読み取れない。困惑するスズネは文章のある一説を「逆さに立ちて」と読み解き倒立(スズネのパンモロに男子勢興奮)。だが、一向に目を覚まさないエン。そして、いよいよ結界の力も限界が近づいていた…。

その頃コトネは昔の事を思い出していた。高校時代に新聞部を作って、今の霊求社のメンバーと出会ったこと。純粋な気持ちで人を楽しませる為に記事を作っていた日のこと……。そして、密かに母から教わっていた舞のこと……。そこであることに気がつき、考えを改め、皆を救うために駆け出した!

その時だった、現場にコトネが駆けつける。彼女はこれまでの行いを悔い改め、渡良瀬の一族の血を引く者として手助けに駆けつけたのだ。彼女は巻物を手にすると、「踊り方を知っている」と言い放った。それは、コトネが子どもの頃に、唯一自分を可愛がってくれた母親から密かに教えられていたものだった。

早速コトネがスズネと共に舞を披露する!「逆さに立ちて」の一説だが、正しくは手にした扇子を「逆手に持ちて」ということだった。
 幽世ではいよいよ魔物に倒されそうになり諦めかけるエンがいた。しかし、現世に呼び戻そうと頑張っている皆の姿は見えていた。必死に舞を踊るスズネとコトネ。エンが少し手を動かす! 反応があった! しかし儀式は完璧なはずなのに、エンは未だ蘇らない。ここで八雲から最終手段が伝えられる。スズネの寿命を更に半分捧げエンを呼び戻そうというのだ。スズネは覚悟しエンの頭上に手を掲げ、そこに短刀を当てがった……。エンはこの時渡良瀬ノ宮から逃げた時にバンに言われた一言を思い出す。「お前は何のために戦ってきた?」「死んだ母さんの行動を尊敬していたからです」「死者は蘇らないが、その想いは消えないんじゃないか?なら、生きてるお前はどうする?」と。その言葉で「自分はまだ死んだわけではない」と思い出したエンが勇気を振り絞って魔物を斬りつける! そしていよいよスズネが自らの手を切りつけようとしたその時! エンがついに息を吹き返した! スズネの舞の力を借りて新たな力を得たエンは自らの神器を強化し、見事キリヤを救出(「父は蘇らないが想いは引き継げる」と諭す)、そして魔物を倒すのであった。(スズネの寿命も戻って来る)

 疲れ果てたエンとスズネは、その場に寝ころび天を仰いだ…。そしてエンはスズネに対し、「これからは必ず僕が守るから…」。そう伝えると、スズネもまた「私のために誰かを危険な目に合わせたくありませんでした…。でも、決めました…。これからは私も皆をお守りします」そう伝えるのだった。…こうしてここに、“真の白毫使い”が誕生したのである。

そして、コトネはイタコに謝罪。八雲はその場にやって来た渡良瀬ノ宮の老婆たちに喝を入れ、ようやく全てが丸く収まるのだった…。

マイは、朝日に照らされるエンとスズネ姿をキャンバスに刻むのだった。

…所変わり、激化する魔物の軍勢に対し、たった一人で立ち向かっていた者がいた…。その人物の額には、“青い白毫”が輝いていた……。

第三章【輝水】

 日常。※キリヤは信念を新たに持ち、この後ニッコリチューブ(ニコチュー)のインフルエンサーとなってエン達の事を陰ながら布教し応援する立場になっていることを描いておく。

 ナイトメア・バスターズの戦いは、相変わらず激化の一途を辿っていた…。この日も魔物との戦いを終えると岐路に着く一向…。バンが運転するナイバスの愛車“ブルバイソン”は、高速をしばらく進むと、突如前方から爆炎と共に黒い煙が上がるのを目撃する。急ぎ現場に向かうと、そこには数体の道魔と戦う、一人の青年の姿があった…。彼の額には青く輝くセルガイア。そして、湾曲した刀を両手に構え、目にもとまらぬスピードで魔物を切り刻んでいった。どうやら「俊足白毫」の能力者のようだ。その光景を眺めていた一同に対し、「早く逃げろ!!」と一喝する青年。しかし、次々と現れる道魔の軍勢に対抗すべく、エンも加勢しようと刀を構えた。   

…その時、突如地面を突き破って大型の魔物が現れ、その青年とエンは高速道路の下に広がる森へと落下していった…。

 青年と二人になるエンはあることに気が付く。青年の額の白毫の周りには、エンと同じような模様がある。どうやら探している伝説の白毫使いの一人のようだ。早速エンもセルガイアを開眼させ、共に魔物を倒すのだった。青年は、自分の他に同じ能力を持つ者がいることを知り驚いた。早速仲間に引き入れようと交渉するエンであった。だがその青年は、「俺は首に“傷跡のある男”に復讐したいだけだし俺は強ぇえ。仲間なんていらねぇ」とエンの申し出を断る。それに負けじと更なる説得を試みるエンであったが、突然その青年に抱きかかえられたかと思うと次の瞬間、交番の椅子に座らされていた。そして、すでに青年の姿はそこにはなかった。青年は白毫の力でエンを移動させたのだ。指名手配の張り紙に気が付いた警官は咄嗟にエンを捕まえようとするが、エンも空かさず陰陽術でその場から逃げ出すのであった。

 数日後、霊求社にて、青い白毫使いの素性について語り合う一同…。そんな折、事務所テレビモニターに驚愕の映像が映し出された。突如都心の一角に、乱立する高層ビルより遥かに大きな一本の大樹が出現したというのである。そしてこの一件は、最近巷で巻き起こる奇怪な事件に関連するとして、ナイバスの名が主犯として挙げられていたのである。

…急ぎ現場の大樹へと駆けつけるナイバスだったが、そこにはブロム率いる警官達が邪眼使いと思わしき一人の人物と戦っていた。   

邪眼使いの首には赤い傷跡があった。奴こそあの青い白毫の青年の復讐の対象者であろう…。

その邪眼使いは植物を操る能力者だった。自身の付近から次々と植物を出現させ、警官達を攻撃していった。警官達は銃で応戦するも相手には効かない様子。エンが変神した時と同じような鎧を身に纏っているのだ。すると、突如あの青い白毫使いが現れ、邪眼使いと戦い始めた。エンも加勢しようとするが「こいつは俺の獲物だ!邪魔するな!」と、青年に一蹴される。しかし、自慢の俊足の能力は地面から生える無数の根に足を絡み取られ、不利な状況に陥る青年。

それをしり目に邪眼使いは新たな行動を起こす。大地に両手をつけると、幾重にも重なる木の根が出現した。そしてそれは、その場にいた警官隊や車両なども巻き込みながら、大樹を中心に巨大なすり鉢状を形成し、その内部を得体のしれぬ液体で満たしていった…。

状況が理解できず困惑する一同には目もくれず、邪眼使いは一本の木の根に運ばれ、すり鉢の木の根の縁に降り立った。そして青い白毫使いもまた凄まじいスピードですり鉢状の

根を駆け上ると、再び邪眼使いと対峙した。

エンも後を追うようにその縁に飛び乗るのだが、青い白毫使いは邪眼使いの操る植物に完全に足を取られ身動きが取れなくなっていた。そして邪眼使いはエン達に、計画の全容を語り始めた…。

この大樹に満たされた毒の水は、地下水からくみ上げた人間たちの邪気で満たされている。その水を吸った大樹の葉は更に濃縮な邪気を放出させる。それは殺人ガスとなり大気を覆い、多くの死者を出す。すると、予期せぬ死を遂げたその人間たちの魂は禍御魂となり、それを手にした道満は、闇の王としての力を加速度的に向上させるのだと言う…。

邪眼使いを倒せば、その計画を止められる!そう思ったエンが刀を構えるよりも早く、青い白毫使いが絡み付く植物を振りほどき、邪眼使いに飛びかかっていった。しかし、邪眼使いの操る枝に弾き飛ばされてしまう。咄嗟に助けるエンであったが、青年を抱きかかえたまま、隣接するビルの窓に叩きつけられてしまう。再び闘いに戻ろうとする青年だが、怪我を負っているようだった。しかし、手当するエンに対し「お前には関係ねーだろ!」とあしらう青年。それに対しエンは、「同じ力を持った仲間が傷ついてるんだ!関係ないことないよ!」そう叫ぶと手当を続けた。

手当をしながら、エンは青年に対し邪眼使いとの因縁を聞き出した。かつて孤児だった彼を育てたのは、一人のマタギであった。そして彼は“マレビト”という特殊能力者であり、植物を操る力を持っていた。稀人が能力を発揮するには、白毫使いと違い何らかの代償が発生する。青年の父は力を使うと、自身も体の一部が植物になってしまう。しかし、その能力に目を付け利用するために現れたのが、あの「首に傷跡のある男」であった。青年の父は青年を逃がすと、自身はその力を利用されまいと完全に植物と化すのであった…。そして青年自身が白毫の能力に目覚めたのも、その日追っ手から逃げていたときの事だったらしい。父の仇を取るために「首に傷跡のある男」への復讐を誓った青年…。助けを求められる者も、助けてくれる者もいないまま、これまでたった一人で魔物と戦ってきたのだった。

青年は一通り語るとエンを振り払い、再び邪眼使いに立ち向かう。しかし、戦いに敗れ毒の沼へと落ちていく青年…。体を毒が蝕み、徐々に力を失っていく中、彼の目に飛び込んできたのは、青年を助けるために飛び込んできたエンの姿であった。

青年は力尽きるも、「エンの事を助けたい」と心変わりしていた。そして死後の世界で薬師如来から“変神”の能力を得て復活を遂げる。鎧を纏った青年は、エンを抱きかかえると毒の沼から脱出。邪眼使いに切りかかった。そして、いよいよ邪眼使いにとどめを刺そうと近づくと、青年はあることに気が付き落胆する。彼の首にあったのは傷ではなく、単なる赤い飾りであった(これはシンガの爪であり、平安の章のシンガ戦で判明)。父の仇ではなかった…。青年は怒りを込めてその首筋の飾り紐を断ち切ると、邪眼使いの鎧の中から一人の老爺が現れた。その老爺の額には模様付きの白毫が…。伝説の白毫使いだった!だがその人物は、首の紐によって操られていただけのようだった。正気を取り戻すと一本の木の枝に乗り、すぐさまその場から退散してしまった…。

邪眼使いが消えたが、相変わらず大樹はそこにあった。そしてその大樹こそ、青年が幼少の頃に樹木へと変わってしまった、自らの父親であった。やはりあの時父親は攫われ、道満側の人間に利用されていたのである。

彼を元に戻す方法はない。その木を枯らすには、青年幼少の頃に父親が残した手紙に添えられていた一本の破魔矢を打ち込むこと。そして、それは父の望みでもあった…。

青年は背に携えていた弓矢を取り出し構えると、父親の姿を残した木の幹の一部に向かって弦を引いた…。だが、マタギとして飛び道具の扱いに長けていた彼だったが、毒気が体に残っておりうまく狙いを定めることができなかった。そして手が滑り、矢は明後日の方向に飛んで行ってしまった。願い叶わず。そう思った時だった。突如銃声が鳴り響くと、その弾が放った矢の軌道を変え、見事大樹を枯らすことに成功したのである。なんと手助けしたのは、警察車両と共に木に引っ掛かり、一連のやり取りを見ていたブロムの相棒“ヒイラギ”であった…。

戦いが終わり、復讐を果たせず落胆する青年の肩に、毒が抜けきらずふらつきながらエンが手を添えた…。エンに感謝の言葉を述べた青年は、自らを“水ノ江誠”と名乗り、「復讐以外に目的ができた。俺のことを蔑ろにしなかったのは、オヤジの他にお前が初めてだ。これから俺は“お前の味方”になる」と誓うのだった…。新たな仲間が加わったことに喜び、諸手を挙げるエン。だが、その腕を突如何者かが鷲掴みにする。ブロムだった。手錠を掛けられそうになるエン…。しかし、アザミによる転移の力で、ナイバス全員はその場を後にするのだった…。

ナイバスの事務所に初めて訪れたマコト。そんな彼に対し、「今日からここで共に暮らそう」と提案するエン。コトネも長身でイケメンのマコトが気に入った様子。「こんなイケメン大歓迎!!」。そう言うコトネにマコトが切り返す。「俺はカルラを守るために付いて来たんだ…。お前らの仲間になった覚えはねぇ」。その態度にコトネの心象はガラリと変わるのだった。

…場の空気が凍りつくなか、割って入ったスズネが「これからエン君を宜しくお願いします」とマコトに握手する。と、その途端!マコトは鼻血を吹き出し卒倒してしまう!

…これまで父親に男手ひとつで育てられ、他人との交流がなかったマコトは、女性に対する免疫も皆無だったのだ。

時が経ち目を覚ますマコトは、八雲に介抱されていた。それを見て卒倒しないマコトに対し「ワシもレディなんじゃが…」と不服そうな八雲だったが、マコトのために拵えた新たな陣羽織を羽織らせた。

マコトの新しい姿に興奮する一同…。その最中、新たな依頼が舞い込む。ある有名アイドルのストーカーが壁をすり抜け自宅に侵入してくるとの事。おそらく邪眼使いだろう。急ぎそのアイドルの元へ向かおうとする一向だったが、マコトが動こうとしない。彼曰く「復讐相手がいないなら俺には関係ない戦い」との事。再び腹を立てる編集長。それを見かねたエンがすかさず「僕を手助けしに来てほしい」というと、速攻で車に飛び乗るマコトであった…。

 アイドルのライブ会場へとたどり着いた一向は、ひとまずライブを鑑賞。アイドル達を見て再び卒倒するマコト。そんな中、その会場に邪眼使いが現れる。そいつはやはり壁抜けの力を有していた。さらにコウモリの臨獣(白毫使いの鎧のような物)を携えていた。早速戦いを挑むエン。しかしマコトは、卒倒からなかなか立ち直れず加勢できない。ふらふらな状態で「俺が信じたカルラが負けるわけない」と強がりを言って加勢しない。その後エンのみならず、バンやムラサメも苦戦を強いられる。打つ手なし……。敵は高笑いし「俺は最強だ!」と言う。その時だった。突然マコトが加勢し、目にも止まらぬ速さで敵を拘束した。プライドの高いマコトは、敵の「俺が最強」発言が気に食わなかったのである。

マコトはいよいよ敵にとどめを刺そうとするのだが、殺害は避けるようエンに止められ、邪眼だけをえぐり取った…。

マコトのおかげで人間に戻った邪眼使いは、エン達の言葉により改心した。だが、以前の邪眼使いとの戦いの時と同じように、突如現れたシンガによって殺されてしまうのだった…。

ここで最強の剣の回(別紙参照)

 …時が経ち、クリスマスの次期がやってきた。事務所はパーティーの準備で大忙し。そんな中、足りない食材を調達するため、コンビニに買い出しに向かうエン。道中、近くにオープンしたスーパー銭湯のビラを貰いつつ岐路に着く。その帰り道、エンは新たな伝説の白毫使いと出会い、仲間にするため説得を試みる(アヤノ回、別紙参照)。一方、なかなか帰ってこないエンの身を案じて、超スピードの貧乏ゆすりをしながら待つマコトだったが、エンからの電話で一安心。

エンが出会った白毫使いの名は“金城あやの”。探している伝説の白毫使いであり、透視の能力者であった。スーパー銭湯を管理する自分の兄はヤクザであり、どうやら「織戸幸愛会」ともつながりがあるようだ。そんな兄に足を洗ってもらうことがアヤノの願いであり、エンもその手助けをすることに。ナイバスのメンバーもパーティーはいったんお預けにし、またしても重い腰を挙げないマコトに手を焼きながらも、疑惑の銭湯に向かうのであった…。その後、アヤノの兄を救うことに成功する一同。アヤノも含めて温泉施設でパーティーをするのだった。ヤンキーのリーダーであるアヤノは、地元を守りたいと言い、ナイバスのメンバーには加わらなかった。しかし、ピンチの時には必ず駆けつけると誓い、別れるのであった。

 日が絶ち、お正月ムードの世の中とは裏腹に、ナイバスの魔物との戦いはやはり激化の一途を辿っていた。そんな中、やはり自分の都合で戦うマコトに対し嫌悪感を示す編集長。関係がギクシャクしていた…。ある日、敵の挑発にまんまと乗せられ、「明らかに罠」だと止める編集長の言葉には一切耳を貸さず、一人戦いに向かうマコト。時同じくして、別の場所でも邪眼使いが現れたとの情報が。マコト以外のメンバーがそこに向かうのだったが、『二人の白毫使いが揃うことで開く扉』の奥にある「人狼の滝」の水を浴び、魔人となる能力を得ようと企んでいた敵の謀略にまんまとはまってしまうのだった。

 しかし、その戦いの中、マコトは忠告を無視したことを後悔し、戦いで傷付き、一時的に能力が使えなくなったにも関わらず、エン達の事を救いに戻る。

 皆に対し謝罪の言葉を述べるマコトに対して喜ぶ一同。戦うマコトであったが、二人の邪眼使いには強く、苦戦を強いられる。そこで、敵が得ようとしていた人狼の力を自分のものにし、敵を倒そうと考えるマコト。しかしそれは、強大な力を得る代わりに「使えば完全に正気をなくす」という代物。使用を止める編集長に対し、「俺は自分を信じて今日まで生きてきた。そんな自分が大丈夫だと信じてるんだ。大丈夫だろ…。もしダメだったときは、当然の報いだ…全員で俺を殺してくれ…」そういうと滝に飛び込むマコト。巨大な人狼に変貌を遂げるも、水の力を孕んだ変神の能力でうまくコントロールし、見事邪眼使いを倒すのだった。

 そんなマコトに対してバンが言う。「お前、今はエンの事も信じてるんだろ?だったらどうだ?そんなエンが信じてる俺たち仲間の事ももう少し信じてみるってのは?」そんなバンに対し、「そうかもな…」と一言だけつぶやくマコト。徐々にではあるが、ナイバスの一員として馴染んでいく彼であった…。

 

第四章【疾風】

 その日は台風が吹き荒れていた。「こんな時ぐらい道魔の奴らもおとなしくしていればいいのに」とぼやきつつ、戦いを終え岐路に着く一向。すると突然風がやむ。台風の目に差し掛かったのだ。ようやく静かになり、つかり果てた白毫使い達は静かに目を閉じるのだった。

 一方その頃・・・。ブロムは、捜査一課強行犯係・特別版のメンバーと共に、管理官であり父の“風間真一”に呼び出されていた。ナイトメア・バスターズが関わる一連の事件について、見解を述べる“柊翼”は、やはり魔物の存在を信じ、そのまま報告した。一人、ありえないと否定するブロムであったが、真一は翼の捜査方針を認めるのであった。不服そうなブロムを一人部屋に残した真一は、「お前はなぜ警察官になった」と問われる。ブロムは「あなたのようになりたいから」と答える。真一はその言葉に落胆し、「お前の人生は本当にそれでいいのか?」と呟く。(真一とブロムの回想を挟む)ブロムは自らの出世にしか興味がなかった。部屋を後にするブロムは同僚の声を耳にする。キャリア試験になかなか合格しないにも関わらず、今の役職についているブロムに対し、「親の七光り」と陰口をたたかれていたのである。肩を落とすブロムであった…。

そんな中、織戸会絡みの新たな事件が発生する。信者を両親に持つ一人の少女から、たった一言だけ「助けて」という電話が入ったのである。早速現場に向かう特別班のメンバー。しかし、現場の一家の様子は至って普通。何ら問題がなかった。その場を後にするメンバーだった。

その夜、魔物が現れたという一報が入り、深夜の廃墟に駆けつける特別班。ブロムは尚も信じようとしないばかりか、実はとてもビビリ。その場の雰囲気に足がすくみ、なかなか前に踏み出せずにいた。そんな彼を無理やり連れて行く柊は、魔物絡みの犯人がナイバスであるとは思っていなかった。…そこに現れたのはエンだった。柊はエンに真相を聴くべくコンタクトを取ろうとしたその時。何と柊はエンに殺されてしまう。恐れながらも銃で応戦するブロム。だが、なぜかエンに銃が効かない。ブロムは人ならざる物の存在をここでようやく信じる。そしてブロムに襲いかかるエンは彼の左目に傷を負わせ、ブロムはそのまま気を失ってしまう。そこにエン達ナイバスが現れる。ブロムに傷を負わせたエンは魔物であった。偽カルラエンは逃亡。ブロムはナイバスによって病院に運び込まれるのだった…。

後日、柊の葬儀に参列するブロムはであったが、もはや彼の表情に生気はなかった…。同僚を、追っている犯人に殺害され、信じていなかった魔物の存在も認めざるを得ない羽目に……。父にも、同僚からも咎められたブロムは、一人ビルの屋上に向かった。遠くを見つめながら、出世の道がますます遠のいたと落胆しつつ、父の背中を追い始めた幼少の頃を思い出していた。そして、ため息をつくブロムは「いっそここから飛び降りようか」と考える。すると、突然尊愚が現れた。尊愚はこれまで自殺を考えている人物を邪眼使いにしてきたのだ。目の前のブロムも邪眼使いにしようと目論み、近づいてきたのである。そんな尊愚に驚き後ずさりするブロムは足を踏み外し、ビルの屋上から落下してしまう。一巻の終わりと思うブロムであったが、その時、何とブロムの額にセルガイアが出現し、彼の体が宙に舞った。なんと彼は“飛翔の白毫使い”だったのだ。取り乱しながらもその場から逃げるブロムであったが、開眼した彼に次々と魔物が襲いかかってきた。何とか魔物を倒し、一人になったブロム。今まで魔物を信じなかった自分を恥じ後悔する。そして、偽カルラ=エンだと思い込み、セルガイアの力で仇を取ることを誓う。

 暫くしてもエン達ナイバスの足取りがつかめないブロム。そこでふと、あることが頭をよぎる。恐らくあの織戸会の信者の娘が魔物に関する事件で助けを求めてきたのも事実であろう。急ぎその少女の元へ向かうと、シンガが少女を攫いにやってきていた。そして、両親を殺害するとその場を後にしようとした。間一髪でそれを止めたブロムは、少女を連れ出し事情を聴いた。少女はどうやら特殊能力者“マレビト”のようであった。そして、その力を利用するため、操られた両親に監禁されていたというのだ。そんな話を聞きながら、相棒を亡くした罪滅ぼしに、その少女を守りたいと考えるが、自分と共にいると魔物に狙われてしまう。しかも、今や助けを求めたい警察からも追われる身となったブロムは頭を悩ませていた。

そんな中、深夜突然街中にサイレンの音が鳴り響く。上空から見下ろすと遠くで土煙が……街頭のモニターにはナイバス出現の報道が。ブロムはエンに敵を討つべく急行する。

現場に着くと暗闇の中偽カルラと交戦する羽目に。しかし敵を倒せない。そこに本物のエンがやってきて加勢する。敵の実態はワニガメ型の魔物だった。口の疑似餌がエンの形を形成していただけだった(魔物の狙いがそもそもブロムだった為)。魔物は再び逃走。倒すことはできなかったが、ここでようやくエンとブロムは和解する。ブロムは少女を守る手助けをしてもらおうと、エンたちと共に霊求社へ向かった。

そこで八雲から衝撃の事実が伝えられる。魔物につけられた左目の傷は「魔傷線」といい、負の感情が加わると、ブロムは魔物に変容してしまう。「絶対に涙を流すな」と告げられるのであった。

そんな中、新たな魔物出現の知らせが……。どうやら巨大な芋虫型の魔物と、それを操る邪眼使いが暴れているようだ。さらに、その邪眼使いが少女を誘拐したという事実が発覚。ブロムも戦いに加わった。

そしてついに敵の策略を知る。邪眼使いは魔物のエサとしてマレビトを集めていた。その魔物がマレビト達の力で成虫になると、邪気を孕んだ鱗粉をまき散らす。その鱗粉で大量虐殺を図るつもりなのである。

戦うナイバスであったが、次々と敵の凶刃に倒れ、あの少女も奪われてしまう。そんな中、突如「リカ」の姿になったアザミのあの世からの伝令により、残されたブロムは少女を救うため、リカから渡された“仮死ノ杭”を使い、変神の力を得るためにあの世へ向かう。そこで出会った弁財天に問われた、「お前にとって愛とは何だ」と。ブロムは何としても神ノ鎧を手に入れ現世に戻りたい一心で、持てる知識を総動員し、「愛とは宇宙です……」と答える。しかし弁財天に気に入られず見放されそうになり、自分の本心を答える。「これまで私は愛何て考えず、ただ出世の事だけで頭がいっぱいでした……でも今は違います、私はあの子を守りたい!愛とは、強く強く誰かの為を想う心!大切にしたいという心の叫びです!私はもう、誰かの涙は見たくない!」と叫ぶ。するとブロムは弁財天に気に入られ見事力を手に入れる。そして現世に戻るために駆け出すのだった。その帰り道、弁財天からの「絶対に後ろを振り向くな」と忠告されていたにも関わらず、後方からの邪気に恐れ、振り向いてしまう。その邪気により引き戻されそうになったのだが、それを救ったのは、エンの親友だったマイトと、ハヤトであった。

無事に現世に戻ったブロムは邪眼使いを倒す。だが時すでに遅し、少女を取り込んだ魔物は成虫へと姿を変えてしまった。

結局少女を守ることが出来なかった事に対し涙を流したブロムは魔物となり、巨大な竜巻を形成した。そして、成虫となった魔物もろとも街を破壊し始めたのである。

ブロムを救うためには、八雲が所持していたお札にその邪気を吸い取らせる必要があるという。しかし、対応しようにも戦いで傷ついていたエンは気を失っていた。何とか身動きが取れたハヤトは、竜巻を食い止めるため、吹き荒れる風を食い止めようと超速で竜巻の周りを逆方向に走りだした。しかし、風は止むことがなかった。落胆するハヤトであったが、台風の目の事を思い出すと、気を失ったエンを抱きかかえ、ビルの上へと駆け上がった。そして、エンの手に八雲のお札を握らせると、「信じてるぞ!」と叫ぶや否や、エンを竜巻の中心へと投げ入れた。何とも荒い戦略、賭けであったが、エンは目を覚ますと全てを察し、ブロムにお札を張り付けた。

元に戻り、正気を取り戻すブロムであったが、自分のしたことを全て覚えていた。にもかかわらず涙すら流せない状況にブロムは一人膝をつく。そんなブロムにエンが近づき「もう、自分も、他の誰の涙も見ないために、僕たちと一緒にその力で戦ってくれないか」と語る。「分かりました。」そういうと、ブロムはナイバスの仲間に加わった。後日、父に辞表を提出するブロムであったが、その表情は晴れやかだった。ブロムは父にエンたちが敵ではない事を伝え、ナイバスのメンバーになる事を告げる。父もまた「本当のお前の人生を見つけたようだな」と快く送り出した。(これを機に警察のバックアップが得られるようになる)。そして、ブロムの手には、父から渡された、自身の出生の秘密が隠されているロケットが握りしめられていた…。

ナイバスにまた一人新たな仲間が加わった。ブロムは今までの行いを謝罪しつつ、メンバーひとりひとりに自己紹介して回った。(デパートの回を挟む)

一行が次に出会ったのは、探していた伝説の白毫使いであり、本願寺土門と本願寺美雪と名乗る夫婦の能力者であった。(ドモン・ミユキ回、別紙参照)そして、美雪治癒の能力を持っており、あらゆる病や傷を治すことが出来た。その二人は、地元に残ると言い、旅に同行することはなかった。その後二人は魔物の被害を受けた人たちを癒すための温泉施設を開業した。その温泉で旅の疲れを癒す一同であったが、すでに硬化したブロムの魔傷線は癒すことが出来なかった…。

日に日に仲間との親睦が深まってきたブロム。メンバーの中でも特にバンの事が気に入ったようだ。この日は魔物と戦うためのアイテムの話に興味津々食いついた。バンも自分の話を聞いてくれるブロムにご満悦の様子。最近開発した「能力を一時的に吸収できる」というお札を見せると得意げにふるまった。

その日の午後、街に再び邪眼使いが現れる。体を霧に変化させられる能力者であり、こちらの攻撃が一切通用しなかった。強敵である。倒す方法も見つからないまま、一同はあるビルの中に閉じ込められてしまう。スプリンクラーが作動し、水がフロアを満たしていく。エンはブロムに、「自分たちは後回しでいいから、街の人を避難させるように」と、警察に連絡を入れさせる。ブロムは言われた通りに連絡し、この場にも救助隊を向かわせた。しかし、刻一刻と水かさが増し、慌てふためくブロム。水の中でも呼吸できるマコトの変神の力を使って、水中で瓦礫をどかそうと試みるも幕行かない…。ビルの窓も強化ガラスでできており、割ることが出来ない。万事休すかと思われたとき。突然、バザラと共に“しりとり”を始めるエン。「こんな時に何してるんです!」と焦るブロムに一喝されるエン。しかし、「こんな時だからこそ、笑顔にならなきゃいい考えは浮かばない。それに、救助隊も呼んでくれたんでしょ?信じて待とう!」そう言ってしりとりを続けた。エンは場を和ませようとしていたのである。それを見ていたバンもしりとりに加わるが、それを見ていたブロムはさらに苛立ちを露わにする。彼はまだ、エン達の事を信用しきれていなかったのである…。

そんな中、マコトも脱出できない事に苛立ち、超スピードの貧乏ゆすりが始まった。その時だった。バンがあることを思いつく。マコトが発する超振動を使って、窓ガラスを割ろうというのである。

その作戦が功を奏し、見事脱出に成功する一同。ブロムに対しバンは、「お前も仲間になったんだ、エンを信じてやれ」と諭すのであった。

再び邪眼使いと対峙する一同。相変わらず対策は思いつかず、次々と敵の凶刃に倒れていくナイバス。一人になるブロムは、焦る気持ちから涙がこぼれそうになるのを必死にこらえていた。ブロムが再び魔物に変わってしまうかもしれない、焦る一同であったが、その時ブロムは閉じ込められていた時のエンの事を思い出していた。「こんな時だからこそ笑顔にならないと…。」

すると、ブロムは突然笑い出す。「気でも狂ったのか!?」という敵に対し、ブロムは「こんな時だからこそ笑顔を見せる…。そうですよね、エン君!!」そういうと、苦悶の表情を見せることなく、一人、敵に立ち向かった。そして、秘策を思いついたブロムは、敵に刃を突き刺した。

「俺に武器は効かないというのが分からんか」。そういう敵に対し、ブロムはニヤリと笑うと、武器の先を見るよう促した。ブロムは、バンが自慢げに語っていたあの、「一時的に能力を奪える」というお札ごと、敵に刃を突き刺していたのである。

見事敵に勝利したブロムは、一同から賞賛を浴びる。そして、「改めて、これから宜しくお願いします。」と頭を下げるのであった…。

第五章【迅雷】

 ある日、ナイバスの元に依頼が入る。額に角の生えた少年が見つかったとの事。鬼ではないか…。一同は急ぎ現場に急行する。

 現場の港町に行くと、依頼者の言葉通り、鬼の少年がいた。住民は恐れていたが、ナイバスは少年から話を聞くことに…。少年の名はキナコ。鬼ヶ島から、白毫使いを探しにやって来たという。鬼ヶ島では1200年に一度、大量の魔物が現れる“幽解”という現象があるらしい、その日が近づき、魔物の数が増えてきたのだが、駆逐するために力を貸してほしいとの事。魔物が本土に攻めてくる可能性もある…。本土の魔物の事件は暫く、バンやアヤノに任せることにし、エン・マコト・ブロム・八雲・アザミ・スズネは、漁師に船を借りると、鬼ヶ島に向かう一同だった。

 鬼ヶ島には普通にはたどり着かない。キナコの案内で荒れ狂う海を進むと、突然海龍が現れ飲み込まれる。海龍は敵ではなかった。鬼ヶ島へと連れて行ってくれるらしい。胃の中で、キナコに鬼や歴史等さらに詳しい話を聞く一同だった。

 鬼ヶ島に着くと、過去にタイムスリップしたかのような街並みに感動する一同。そこに魔物が現れる。ナイバスが戦おうとすると、そこに戦士が現れ、魔物を倒した。その人物は“十鬼隊”と呼ばれる、対魔物舞台の一人「木ノ下蕨」であった。一同は、十鬼隊の暮らす“万鬼殿”へと案内される。そこで、修行する十鬼隊のメンバーを目撃するエンはあることに気が付く。

全員、エンと全く同じ独特な構えをしていた。(ここでは「かつて島に来た陰陽師たちから習ったもの」と伝えられる)疑問に思いながらも、ナイバスは十鬼隊のメンバーを、棟梁であるショウキに直接魔物を殲滅してほしいと頼まれる。そして、一族総出で歓迎を受ける。しかし、出てきた料理があまりにグロテスクで、食せたのはマタギ生活の長かったマコトだけであった。だが、そんなマコトに異変が。料理に毒が盛られていた。トウギの能力で毒を吸出し窮地を脱するが、何者かが白毫使いを殺そうとしているようだった。

 翌日。魔物との戦いを始める白毫使いであったが、次々と現れるそれに対し、次第に疲弊していった…。そんな姿を見て、ショウキがある提案をする。1200年前に島に封印された白毫使い“ウシトラ”を復活させようというのである。しかし、ウシトラは、そばにいるものを不幸にするという“妖怪猫又”の呪いが掛かった人物であり、1200年前人々に恐れられ、封印された存在。よみがえらせことに反対する十鬼隊。特に、ウシトラに人間である母を殺されたワラビは猛反対した。しかし、来たる幽解に対処できる最後の手段として、封印が解かれることになる。

 封印されているという岸壁に、ウシトラと同じ白毫使いであるエンが触れると、ついに封印が解かれた。現れたウシトラは予想に反し、尾が二股に分かれたかわいらしい猫だった。驚愕する一同にウシトラが名を名乗る。「ワシはウシトラ、またの名を怪童丸じゃ」。その言葉に八雲とブロムがさらに驚愕する。彼は金太郎であった。

 ウシトラに加勢してもらうために交渉する一同であったが、ウシトラは自分の呪いを気にしている様子。そして次の瞬間、突然正気を失ったウシトラは、大きな獣人へと姿を変え、一同を襲い始めたのである。やはり得策ではなかった。そう思うワラビであった。

 ウシトラは、どんなに重い物でも軽々と持ち上げる、“剛力白毫”の能力者であり、かなりの強敵であった。苦戦する一同だったが、突然ウシトラは正気を取り戻すと、姿をくらますのだった。明らかに様子がおかしいウシトラの身を案じ、エン達はウシトラを探しに向かう。次に発見したとき、ウシトラは正気を取り戻していた。親の仇を取るためウシトラに襲い掛かるワラビであったが、ウシトラの力を借りるのはお上の命令と、一同に止められる。事情を聴くエンに対し、自分の過去を話すウシトラ。彼は1200年前、阿倍清明の命令で幽解を収めるために戦った戦士であった。戦いを終えた後、共に戦った渡良瀬ノ巫女であるワラビの母が大けがを負ってしまう。ある人物にその怪我を治せる妙薬があると聞きそれを探しだしたのだが、それを手にしたとき何者かが放った弓がそれを砕き、中から出てきた煙により、猫又の呪いが掛かってしまったという。その呪いで、不本意にワラビの母を殺してしまったようだ…。ウシトラは「自分ははめられた、その何者かを探している」だが、「1200年経ったその人物の姿など、変わってしまっていてわからないだろうと」と肩を落としていた。信じられず不服なワラビは、一人大地に拳を叩きつけた。するとその時、再びウシトラは正気を失い、エン達に襲いかかった。戦う一同だったがやはり強いウシトラ…。そんな彼は、精神世界で、生死の境をさまよっていた。そこで出会った“虚空蔵菩薩”に問われる。「お前は何者だ」。その問いに対しウシトラは叫ぶ「ワシはもう誰も傷つけたくない!獣か鬼か人間か!そんなことはもうどうだっていい!ワシはワシじゃーーーー!!!」。すると、変神の力を携えたウシトラが出現し、突然白毫使い達とは違った方向に攻撃を加えた。すると、そこから一人の邪眼使いが現れたのである。

 邪眼使いはウシトラと因縁の相手であり、人外を自在に操る力を持っていた。ウシトラは1200年前にその人物は死んだと思い込んでいたが、こうして生きていた。理由は分からなかったが、猫又の呪いを仕立て上げた張本人であると気が付くのである。

 そして、ついに幽解が始まる。魔物の軍勢と戦うナイバスと十鬼隊は、見事、幽解を収束さたか…と思われた。が、それは全てショウキの陰簿であり、ウシトラに呪いをかけたのも、ワラビの母を殺害したのもショウキであることが発覚する。

 ショウキは邪眼使いと結託を結び、自分の両親が鬼であるというだけで、迫害し、殺害した人間たちに復讐するため、1200年の間その機会を伺い虎視眈々と狙っていたのだった。邪眼使いも、獣の感情を操り恐怖を与え、その魂を禍御魂に変え、それをくらい続けることで生きながらえていたのだった。

 ショウキの計画は、本土の白毫使いを島に呼び寄せ毒殺し、魔物を倒せるものが居なくなった本土に一気に魔物を送り込む為、軍勢を囲い込む場所として“万鬼殿”を作ったのだった。そして、清明の妻「リカ」に転移の能力があることを知っていたショウキは、邪眼使いの能力でアザミをコントロールすると、魔物を本土に転移させる準備を始めた。(リカの事はここでは描かない)

 倒された筈の魔物は突然起き上がると、万鬼殿に向かい始めた。十鬼隊の刀には魔物の力を増幅する力があり、邪眼使いの能力によって、倒されているように見せかけられているだけであった。次々と魔物に倒されていく十鬼隊…。信じていた頭に騙されていたことに強い憤りを覚えたワラビ。魔物に殺されそうになりながら、敵対していたウシトラにショウキを止めるよう懇願する。「当然じゃ!」そういうウシトラはショウキに戦いを挑むため万鬼殿に向かうのだが、ショウキは邪眼使いと共に魔物を引き入れ本土へとワープしてしまう。

 アザミがおらず、船もショウキによって燃やされ、本土へ行く術のない一同。マコトは急ピッチで巨大な筏を作ると、戦士たちを載せ、俊足の能力を使って本土へと急ぐのであった・・・。

 一方、本土では、江の島のタワーをポータルとして、ショウキを筆頭とし魔物の軍勢が攻めてきていた。島の展望灯台シーキャンドルは、織戸会の人間か作っていたようだった。江の島バンやアヤノだけでは食い止められなかった。

 そこに到着した一同。驚愕の光景を目にする。何と、江の島のシーキャンドルを砲台とした、巨大な歩く城が魔物と共に街を襲っていたのである。エンはすかさず大建神で対抗。しかし、城による攻撃に加え、邪眼使いが操る獣たちのよって阻まれ、大建神は墜落。その腹の上で邪眼使いとエン・マコト・ブロムの戦い。その間ウシトラが一人白毫の力で城の進行を食い止める。エン達三人は邪眼使いをなんとか倒すも、城から魔物が射出されるまであと僅かとなっていた。それを食い止める為、ウシトラは身軽な猫又の姿に転身すると、一気に城を駆けのぼり、砲台を剛力の力で捻じ曲げた。

 そして、砲台の爆発と運命を共にし、”人を不幸にする呪われ人”である自らも消し去ろうとしていた。そして、砲台は爆発し、シヨウキもろとも木端微塵に吹き飛ばしたのだった…。

しかし、次の瞬間、噴煙の中からウシトラが現れた。ブロムが、飛翔の能力でウシトラを救ったのだ。こうして、ショウキによる人間駆逐の野望はここに潰えたのだった…。

 戦いを終え、ナイバスのメンバーにウシトラを誘うエンだったが、やはり呪いを気にしている様子。仲間にはならないが、一つだけ頼みがあるという。それは「少しだけ今の日本を見て回りたい」との事だった…。メンバーは快く了解し、ワラビとキナコはナイバスとウシトラに感謝しながら、鬼ヶ島へと帰って行った…。

※【ここから行脚の章までスズネ視点で描く】

 後日、事務所に帰ってきた一同は、ウシトラを紹介する。バンはウシトラを迎え入れる為、五人の白毫使いの力を合わせて放てる真言砲、アビラバルカンの制作を開始したのだが、ウシトラはやはり仲間になることを拒絶した…。

 ウシトラの願いを叶える為に、現代の日本を案内する一同。久方ぶりに平和な日常を過ごしていた。ウシトラはそのままの姿だと案の定通行人に恐れられたため、猫又の姿に化けて過ごすことに。そんな中ウシトラは、街頭のモニターに映し出された相撲にとてつもない興味を示す。「この時代にもまだあるのか」と喜ぶウシトラを連れて、両国国技館へと向かう。

 そこで事件が…。ウシトラはいてもたってもいられず、相撲の試合に乱入してしまうのである。

しかし、突然の乱入者にも関わらず大関を倒してしまう。ウシトラは横綱に勝負を挑む。横綱は「一週間後の千秋楽日の早朝に勝負するという条件」で承諾。そして、「勝てば正式に横綱が所属する相撲部屋の力士として稽古をつけてやる」とのことだった。会場やメディアは大騒ぎ。

 そして一週間後、ウシトラ勝負の日。奇しくもスズネの中学の卒業式の日だった。そして、時同じくして、バンがアビラバルカンを、そして、道魔法師尊愚も、ある物を完成させていた。

 スズネは、ナイバスみんなを卒業式に来て欲しいと誘うのだったが、そこに巨大な魔物が現れてしまう。

 大建神は先の戦いで傷つき、戦うことが出来ない状態…。魔物を倒すにはアビラバルカンの力が必要であった。

 すると、突然、魔物が呪術を使って日本全土に及ぶ電磁パルスを発生させる。それにより国土の電子機器は甚大なダメージを被ることに。そして街を襲う魔物の振動により、相撲を行っていたウシトラの頭上に吊り屋根が落ちてくる。それを白毫の能力で支えたのであるが、化け物と恐れられ、会場から人々が逃げていく…。

 そんなウシトラは、「やはりワシは恐れられる」と肩を落としていた。

 そこにエンが迎えにくる。こんな自分を必要としてくれるなら、と、もう一度だけナイバスに力を貸すことに。見事「アビラバルカン」で魔物を倒す一同であった…。

 その後、携帯が不通となり、連絡が取れず心配していたスズネであったが、卒業式の会場でふと空を見上げると、そこには「卒業おめでとう」の文字が…。エンがアビラバルカンの呪術を使って、空に想いを描いていたのである。そのおかげでアビラバルカンは壊れてしまうのだったが…。

 戦いを終え、事務所に集合した一同だったが、魔物によって破壊されていた。ウシトラは、「やはりワシがいると不幸になる」とナイバスの元を去ろうとする…。しかし、エンは「ちょうどいい!全国を車で旅して、魔物と戦おう」と提案する。他の一同からも次々とポジティブな意見が飛出し、もはやその場に悲壮感は漂っていなかった。その光景を見たウシトラは、「お前たちと一緒なら、ワシの呪いも打ち消してくれるかもしれん」と言い、ついに仲間となるのであった。

 そして、一人ひとり新たに目標を話し始める…。ウシトラも「この世の全ての秘密が掛かれているという“陰陽伝”を探したい」という目標を掲げ、一同は全国行脚の度に出るのであった…。

メモ≪それぞれの目標≫

エン/蘆屋道満を倒す

マコト/エンを守る・復讐する

ブロム/誰も泣かせない・自分が何者か知る

ウシトラ/陰陽伝を見つける

スズネとバン/ナイバスをサポート

八雲/伝説の巻物の続きを見つける

ゲンゾウ/心霊写真の写らない世の中を作る

ライタ/妖怪マンホール小僧を見つける

コトネとイタコ/ナイバスの活躍を一人でも多くの人に伝える為に書き記す。

第六章【行脚】

この章で必ず神に関する話を3つ位入れておくこと。

道満は新たな策略を企て、フランにある指令を出した。「白毫使いと共に全国を巡り、倒した魔物の魂を使って各地で巨大な魔物を産み出すこと。その対処のために白毫使い達が分散している最中に自らが首都を破壊せよ」というものだった(ここでは何を命令されたか描かないでおく)。

 一方、全国行脚に出たナイバスであったが、道満の策略によって通信機器を破壊されているため、バンのカーナビが機能せず、魔物探しは困窮を極めていた。

 そんな中一向は、工事中のビルから作業員が化け物に突き落とされている現場を目撃する。そこに向かうが魔物はおらず、代わりに一人のマレビトの少女と出会う。その少女は口を利くことが出来ず、素性が分からなかったが、魔物の居る位置を正確に指し示すことが出来た。一同はその少女に“トモエ”と名付け、彼女を引き連れ再び旅を続けた。

 しかしそのトモエこそがフランの本来の姿であった。彼女はその姿でまんまとナイバスに潜入。内部崩壊の機会を虎視眈々と狙っていた。(トモエの人格は善人なので、エンたちに真実を伝えたいが、話すことはおろか読み書きもできないため首をふることぐらいしかできない。)

 

旅の途中で必ず『魔物を飼う男』の話を描いておく(別紙参照)。

※この話でエンに、「魔の眷属であれ救えるものがいるなら救いたい」という気持ちを抱かせておく。

旅を続けるなかで、トモエは新たな魔物発見に協力している体で、バスターズに次々と魔物をけしかける(本当は魔物を倒させて、巨大魔神を作るためにその魂を集めているだけ)。しかし、旅を続けるにつれ、エンたちとの日々が幸せなものに思えてくる。(ツンデレっぽく否定するも、明らかに楽しくなってきている描写を入れる)

 

 次に一同が出会ったのは、マコトが仲間になったときに行方をくらましていた、植物を操ることのできる伝説の白毫使い、“柏木秀次”であった(ヒデジ回、別紙参照)。ヒデジ曰く、このまま魔物を倒す旅を続ければ、大地が浄化され、イヤシロチという空間を作ることが出来るという。そして、先の戦いで傷ついた“大建神”を治すことが出来るという。さらに、ヒデジの能力を使えば、全国どこにいても植物を使うことで連絡が取れるという。通信機器の代わりを果たすことができるその者の能力に一同歓喜した。が、ヒデジは老体であるため、“大建神”の格納庫である、“八重ノ弥盛(やえのいやしろ)”で一同のサポートに着くのであった…。

後日旅の途中でブロムが、日に日に激化する魔物の脅威に自分たちだけでは対処しきれていないのではないかと危惧する。そんな中でセルガイアの能力も持たずに魔物に対抗しようと努力している民間人がいることを知ることになる。その団体のリーダーは果敢に魔物に挑み、人間に擬態していた宗教団体の教祖の化けの皮を剥がし公衆の面前に晒す。その魔物はエン達が倒したが、魔傷線を負ったそのリーダーをドモンとミユキの所へ連れていく(まだ瘡蓋になっていないので間に合う)。癒しの力を湯船に浸透させることで見事リーダーの浄化に成功する。また、戦いに向いていないヒデジはその団体に白毫の力を分け与え武器を授けた。そしてブロムは、民間人でも頑張れると考え方を変える。

その後再び旅を続ける一向は、その途中、神秘的な霊力を放つ磨崖仏を発見する。しかし、それが一体何であるか、まだ分からなかった。

 旅の途中、突然現れた魔物。それは、以前ブロムに“魔傷線”を付けたものであった。戦うも苦戦する一同の前に現れた人物。その者は一同を救ったかに思われたのだったが、何と、魔物を飼い馴らす魔人であった。その人物は魔物を軍事利用するために暗躍していた人物であり、一同の前に現れた魔物を連れ戻すため、海外からやって来た者であった。そして、その一同の前に、人工の白毫の能力を携えた二人の能力者が現れ加勢する。どうやら魔物との戦いは、もはや全世界規模にまで発展しているようであった…。

その人物たちは、心霊現象研究会SPR(実在)という極秘裏に対魔の研究を進める団体から派遣された人物であり、ブロムの事を探していたという。そして、ブロムは、自身がコナン・ドイルの子孫であるといった出生の秘密を知る。そして、再びその魔物と魔人と戦闘を繰り広げる一同。道満は、代わりに白毫使いを倒しくれるやつがいるなら好都合と、高みの見物をしていた…。

魔人は魔人化した軍隊を引き連れており、かなりの苦戦を強いられる。その中で、人工白毫の一人が命を落としてしまう。その事実が「誰の涙も見たくない」と言って戦っていたブロムの琴線に触れ、ブロムは魔人化してしまうのであった。しかし、ブロムはその力を制御し、敵の軍勢を倒す事に成功する。残った人工白毫使いはブロムに対し、「白毫を研究するために実験体としてイギリスまで来てくれないか」と申し出る。ナイバスもそれを勧めるのだが、ブロムは「私は魔物も、セルガイアもない平和な世界を作りたい、だから、今の仲間と共にそれを目指します」。そう伝え、申し出を断った。そして、人工白毫使いは、「何かあればSPRが助けに来る」。そう伝えるとその場を後にするのだった…。

 長く続く旅の途中で一同は、各々少しずつ力を付けて行った。イタコも本当に霊力を付け、潮来として覚醒するのだった…。(別紙参照)

 こうして時は流れ…幾多の戦いを乗り越え…全国行脚の旅も、いよいよ日本一周を目前に向かえていた。ナイバスの活躍は広く知れ渡り、街も電力を取り戻しつつあった…。

そんな中一同は、このあとトモエが道満の手先であることを知る事になる。いよいよ魔物の魂を必要分集めたフランは仕上げに取り掛かり始める。バスターズを古い廃車置き場につれていく。事故車が集まり魔物に。魔物の本体は魔物の体を覆っている多くの廃車を潜り抜けた先にある。そこでトモエはバンの鞄を漁ったかと思うと、アザミに魔物の力を抑制するお札を差し出す。アザミの小さな体なら廃車の間を掻い潜って魔物にお札を貼れると考えたのだ。名案だと喜ぶエン。しかし、トモエは何故かお札を差し出している手を反対の腕で制御しながら涙を流している。訳が分からなかったが、エンはトモエの代わりにアザミにお札を渡した。魔物に向かっていくアザミ。その体をドグマが捕らえる。アザミはこの後の自分たちの作戦の邪魔になる存在。一人になったところを捕らえる機会をずっと伺っていたのだ。そしてついにトモエもフランの姿になってエンたちと戦う。アザミは式神だったため殺せない。フランはドグマに命じてアザミを特殊な虫かごに入れて封印した。いつも楽しそうにしていたエンの事が気に入らなかったフランは、エンに攻撃を仕掛ける。マコトが助太刀する。エンは「トモエがそんなことするはずない」と思っていた。お札を渡すときの涙も見ていた。きっと何か理由がある、エンはトモエを助けたいと訴えた。その考えに逆上したフランはエンに対し、自らの臨獣である蜂の力を使い、『精神を蝕む毒』を注入してその場を去るのだった。

すると、エンは毒の効果もあり、アザミをさらわれてしまったことに焦りを感じ発狂。「早くフランたちを追いかけろ!」とわめき、倒れる。

復活した魔物探知機付きのカーナビを便りに、ブランとドグマを追うバスターズ。二人の気配を示した場所には、ある女性が。最近化け物が現れるというその女性。きっとフランたちに違いないと、女性のからの依頼をこなすことに。女性はエンにとって理想の母親像を持った人だった。魔物が現れる。直ぐにでも倒せそうな小物だった。しかしその魔物に気を取られている隙に、そこに現れたフランによって女性が殺害されてしまう。さらに焦りと憤りを覚え狂乱するエン。“今後もしこの戦いでスズネを守ることが出来なかったら……皆を守れなかったら……”そんな不安が一気にエンの心を蝕み完全に取り乱した。そんな中フランは捕らえているアザミに毒を注入。操る事でエンをイヤシロに飛ばした。それもエンの事が気に入らずエンを内面から崩壊させようと目論んだトモエの策略であった。狂乱したエンは大建神を起動。現場に飛来すると小物の魔物を一気に踏み潰した。一同は困惑。そして、毒が注入されていることを知らないメンバーには、エンが勝手に暴走したかのように映っていた。そしてそんなエンに対し、バザラが愛想を尽かすのだった。

 そしていよいよバスターズの気を反らしたところで、トモエは道満からの命令を実行する。彼女は、この旅で集めた魔物の魂を集結させ、全国各地に巨大な魔物を出現させた。一同はそれに対抗する為、マコト・ブロム・ウシトラに“大建神”の力を与え、これを制するように戦った。しかし、これも道満側の「白毫使い達を各地別れさせ、首都を手薄にする」という策略であった。そして、トモエは東京のど真ん中で、最後の作戦を実行する。トモエが引き連れている相棒の魔物と共に巨大化し、その魔物の能力で、首都圏全域を爆破するというのである。それを食い止める為、エンが一人戦いを挑む。(この戦いの最中にフランから全てネタバラシがある。エンの暴走が毒によるものだったこともわかる。更に、先の戦いでエン無駄に大建神を使った為に巨大化したフランとドグマに今対抗できる力がない事にも気がつき大ピンチ)。戦いの最中、必死にフランを守ろうとするドグマに対し、トモエがフランであることにはきっと訳があると感じて問い詰める。ドグマに触れられるエン。すると、フランとドグマの過去のビジョンが頭に流れ込んでくる(別紙参照)。ドグマはフランの願いを叶えたいだけだった。再びドグマに戦いを挑まれるエン。ドグマによる小規模な爆発に巻き込まれてしまう。その爆破からエンを救ったのは、バザラであった。バザラはエンを無理やり変神させると、自らを鎧として爆風からエンの身を守った。しかし、バザラはその鎧の形のまま硬化し、意識を失ってしまう。そして鎧から無理やり弾き出されたエンも、いよいよ全身に毒が回わり、意識を失ってしまうのである。

 そんな中、各地で魔物と戦う、マコト・ブロムは何とか戦いを終えると各々、巨大化したトモエを止める為東京に向かった。ウシトラも魔物を倒していたが、付近にまだ魔物残党がいたため現地に残る。のアザミがいないためすぐには戻れない。各地の大建神に向かった時とは逆の方法で、大山不動にあるポータルで合流。東京へと向かうことに。しかし、大建神の能力は暫く使えない…。とにかく住民の避難を優先した。

 そして、目を覚まさないエンの毒素を浄化しようと試みる一同。アヤノを呼び、体内を透視してもらうと魔の毒に犯されている事が判明。トウギの能力で吸い出しても治癒することが出来なかった。そこで、温泉施設を営む二人の白毫使いに連絡を取るのだが、この戦いで施設は破壊され、能力者も傷付き倒れてしまっているという。万事休すか。そう思われたのだったが、連絡した白毫使いによると、激化する戦いの中、なぜか温泉施設に訪れる人数が減っており、その訳を調べたところ、妖魔を退けるという酒が流通しており、それを飲んでいる人々がいるとの情報を掴んでいた。その酒ならエンを治療できるかもしれない。その酒を求めて、近くで戦闘していたウシトラを向かわせた。

 現場では、斬鬼による妨害を何とかしのぎ、その酒を入手するウシトラ。急ぎエンの元へ向かった(別紙参照)。

 エンは、毒を制したのであるが、バザラは相変わらず戦闘不能状態であった。しかし、そんなバザラを救うため、スズネが一人、固まったバザラの体をノミで砕き、救い出そうとしていた。

 新たな鎧となったバザラであったが、やはり目を覚まさない…。いくら操られていたとはいえ、皆に迷惑をかけたエンは、この状況を食い止める為、一人街を破壊するトモエの元に向かった…。

 トモエは街を破壊し、殺戮を繰り返しながら、風爆の力を高めるために禍御魂を集めていた。そこにやって来たエンだったが、やはり“大建神”なくしては戦えない…。(一応肉弾戦を試みるも案の定失敗)。

 そこに、復活したバザラがやってくる。そして大建神となって戦うも、敵の攻撃により、瀕死の状態に追い込まれてしまう。そこで、エンの窮地に力を貸したのが、初めて能力を開眼させたときに現れた二人の霊体であった。それは、地球の神であった。(唱えよ「大開眼と!」)

 二人によって新たな力を得た大建神は、人型を形成。再びトモエを救うために戦うのだった。しかし、風爆の能力を最大限に高めたトモエをこれ以上攻撃してしまっては、それによって爆発し、首都圏は灰塵と化してしまう。

 頭を悩ませるエンであったが、それよりもトモエを救おうとしているエンの姿を見た彼女は、仲間と旅したことを走馬灯のように思い出していた。そして、回心したトモエは、自爆を図り、宇宙へと向かった。

 尚もそれを食い止める為、大建神を降り、跳躍するエンだったが、彼の能力ではその高さに限界があった。届かない…。そう思ったとき、バザラの新たな鎧が力を貸した。彼はもう一段回空中でジャンプすると、トモエをの後を追った。

 しかし、数刻遅く、トモエは魔物と共に爆発してしまった。しかし、言葉を発することが出来なかったはずのトモエは、最後に「ありがとう」の言葉を残すのであった…。

 一人大地に落ちていくエンは、改めて“打倒道満”を誓うのであった。

※ブロムの出生については別紙参照のこと

メモ―この章で必ず、神を信じているヒトと信じていない人の物語をいくつか描いておくこと。

第七章【平安】

 全国行脚、そして、大きな戦闘を終えた一同は、久方ぶりに安息の時を過ごしていた。ヤエのイヤシロには大建神が集い、その回りで疲れを癒していた。

 が、それは嵐の前の静けさであった…。

道満はこれまで集めた禍御魂の力を使い“三千実ノ桃”という、魂を過去に送ることのできる道具を作成。斬鬼の魂を平安時代に送り、晴明によって封印された過去を変えるよう彼に命令した。しかし、シンガが「それは俺の役目」と桃を奪い脱走。道満の命令を無視し、これまで自由を奪われてきた憂さを晴らすべく、ひとり打倒白毫使いを目論み戦いを挑んできたのである。

 シンガは、対峙するエンの事を吉平と呼んだ。そして、そう呼ばれることに心当たりのないエンに対し、「うぬが定めをも忘れたか…」と言い放つと、ついに戦闘を仕掛けてきた。

シンガは一時的に他者を操る能力を持っており、それはかつて、ヒデジを操っていたものでもあった。一同はピンチに陥る。そして、エンの元に近づいてきたシンガは「計画変更」と言い放ち、エンの口に桃を放り込んだのである。すると、突然エンは意識を失い倒れてしまった。ピクリとも動かないエン。シンガは残った白毫使い達を倒す為、再び襲い掛かってくるのだが、間一髪アザミの計らいにより、イヤシロに転移されるのであった…。

エンはその魂を平安時代に飛ばされていた。そこで、阿倍清明率いる“白毫隊”と出会う。白毫隊はなぜか、元の時代の伝説の白毫使い達と同じ能力を有していた…。

エンは、伝説の阿倍清明に出会えた事、そして、清明が率いていた十二人の式神こそ“白毫隊”だったという事実が判明し大興奮。しかし、現世への戻り方が分からず頭を抱えていた…。そんな中、であった白毫隊の一人であり、清明の弟の吉平にだけ、エンの事が見えていた。吉平曰く、“出来損ないの陰陽師”である自分が白毫隊に選ばれた理由が分からないという。そして、彼はエンに、白毫隊結成の秘話を語るのであった。(ここでウシトラのことやシンガのことも描く)。

 一方その頃、ナイバスはエンの魂を平安時代から呼び戻すため、「時空の回廊」という場所に向かった。そこは、行きたい過去に遡ることのできる装置があるという。しかし、そこにたどり着くまでには様々な試練があり、それを越えたもののみが、過去への扉を開くことが出来るという。早速、マコト・ブロム・ウシトラがその場所を目指して出発した。しかし、試練の空間では、セルガイアの能力を使うことが出来ず、渡された武器も、戻れなかったときに自害するための物であった…。それでも、エンを救うために試練に立ち向かう一同であったが、どうにも3人の息が合わない。特にブロムは、自分のいうことを聞かず、一人で突き進むマコトに嫌気がさし、エンという存在がチームをまとめていたことを改めて痛感していた…。

 その頃、エンはというと、高所恐怖症のため自らの跳躍の力を使いこなせず、しかも、戦闘も苦手である吉平に取り付き、道満との戦いをサポートしていた。突然強くなった吉平に驚く白毫隊であったが、道満との戦いに光明が差したと喜んだ。

魔物との戦いは激化の一途を辿っていたが、相変わらずエンは未来に戻る方法が分からずにいた。そんな中、清明の使い達が、道満封印の方法を編み出す。それを叶える為には、道魔たちを一網打尽にできるような閉鎖空間が必要であった。清明は遣唐使として、唐に渡る予定をしていたが、それを諦め、遣唐使船をその空間に選んだ。そして、礫白毫の能力者に、道満と戦闘を繰り広げている地に船を運ぶよう依頼した…。

 その頃、ブロム達は、相変わらず独りよがりなマコトに手を焼きながらも、一つずつ試練を乗り越え、最後の試練の場にたどり着いていた。そこは、高い崖の上から幾つものの布が垂れ下がっていた。そして、その布を登り切った先に、時空を繋ぐ鏡がある。一同はその布の登り方を各々工夫していた。マコトは、幼少の頃から培ってきたサバイバル術を用い、ウシトラは自らの力のみで、そしてブロムは布を巻き取る装置を作り、一同は布を登った。しかし、あと僅かで登頂というとき、ウシトラの布が切れ、とっさに捕まったマコトの布も破れ、二人は落下してしまうのだった…!

一方平安のエンは激化する戦いの中で、かつてのシンガ、さらにはムラサメと戦っていた。なんととムラサメは平安時代において、道満に操られ、手先として戦っていたのである。その二人との戦いに苦戦し、さらに清明の妻であるリカが殺されてしまうのだった。

そんな白毫隊の前に、リカを殺された清明が現れ、敵に対し自ら戦いを挑む。清明は白毫使いではなかったが、道満を悪に染めたのは自分に非があるとして、自ら戦場に赴いたのである。傷付き倒れる清明の元に一同が集まると、清明は、道満との過去を語るのだった。(別紙参照)そして、その想いを知った吉平は、再びシンガに立ち向かったのだが、シンガは憑依しているエンに気が付く。そして、シンガによって受けた攻撃により、憑依していたエンが切り離されてしまう。能力を無くした吉平に再び憑依しようとするも、シンガの一撃が障壁となっていて、戻ることが出来ない。だが、吉平はその状態でシンガに戦いを挑んだ。そんな姿を見て、その場にいる味方全員が、吉平と同じ構えをすると、シンガ達道魔の軍勢に立ち向かっていった。そして、ムラサメは救われ、清明によって傷をいやす眠りについた…。そしてシンガは吉平にタイマンの勝負を仕掛ける…。

一方未来では、時の回廊につながる寺院で待機するナイバスメンバーの前に、シンガが現れる、彼は、開かれようとしてる時空の扉に自分だけがもぐりこみ、過去に戻ろうと戦いを挑んできた。白毫使いがおらず、苦戦する一同であったが、その前にムラサメが現れ助太刀する。しかし、シンガの攻撃で陣羽織が傷つけられると、ムラサメの正体が明らかとなった。彼女は八雲であった。そう、八雲は道満によって作り出された出来損ないの白毫使いムラサメであり、その能力の弊害で長寿を獲得し、現代まで生きていた人物であった。驚愕する一同であったが、このままではシンガの思うつぼ、再び闘いを挑むナイバスであった。

そして、時の回廊では、布を落下傘にしたブロムが、落下するマコトとウシトラを救っていた。そこで、マコトは「エン以外にも俺の事を思ってくれている奴がいるとは思わなかった」と、とうとうブロムにも心を開き、自身の過去を語る。そして、マコトこそが、ライタの探していた“妖怪マンホール小僧”であることが判明する。そして、そんな会話から結束を深めた一同は、ブロムと共に布を登る装置を新たに作成し、崖の上へと登って行った。

一方、平安時代では、吉平がシンガと最後の戦いを繰り広げていた。その中で、ピンチに陥る吉平であったがその最中、礫白毫の能力者が全身傷だらけになりながらも、線上に船を運んできた。清明率いる陰陽師たちが、封印の呪文を唱えると、道満の軍勢、そしてシンガを吸い込むと、道満は左腕だけを残し次元の狭間へと消えて行ったのである…。こうして、平安の白毫戦役は幕を閉じたのだった…。

一息ついた吉平は、突然エンの目の前で光り始めた。…どうやら白毫使い達は、開眼したときに神々と約束していた通り、自身の白毫を未来のために封印し、戦闘での傷が癒えることなく死んでしまうという。吉平はそれを言い終わると、エンに感謝し、光と共に消えてしまった。そして、エンは気が付く。自身が未来の吉平であることに…。静寂が訪れた。しかし、一人になったエンは、未だ未来に帰る方法が見出せていなかった…。

そして、未来では、ついに時空の鏡の前に3人がたどり着いていた。そして、平安時代のエンの前に、時空の扉を出現させた。しかし、そこに3人だけでなく、シンガも飛び込んだ。シンガはこの時を待っていたのである。白毫使いが封印された後の平安時代で、自分が悪の権化として君臨しようというのである。しかし、時空の扉は閉じようとしていた。急ぎ戻らなくてはならない一同を残し、八雲だけが「自分が因縁を断ち切る」と、一人平安時代に残ってしまうのである。

一人シンガと戦う八雲であったが、苦戦し、銭湯不能に陥ってしまう。そして、とどめを刺されそうになる彼女の前に、ナイトメア・バスターズが現れる。何と、彼らはあの危険な試練を再び乗り越え、八雲を救うためにやって来たのである。そして、八雲を連れて未来に戻ると。シンガを倒すのであった。そして、シンガは、虫の息になりながらも、道満によって船へと連れ戻されるのであった…。

(未来に帰るとき晴明が現れ、エンにお礼をいう。清明にだけは吉平に宿っていたエンが見えていたのだ。そして、メンバーが未来に帰った後、晴明の部下の陰陽師たちが、吉平の特殊な構えを受け継いでいくと誓う。※鬼ヶ島の十鬼隊の伏線回収)

メモ:百鬼王は白毫に触れると邪眼に変える力を持っているマレビト

  幼少の頃孤児で、道行く人々に迫害を受けながら過ごしていたが、白毫使いに拾われ育てられた。しかし、その白毫使いを何も知らずに邪眼使いに変えてしまい、陰陽寮所属の別の白毫使いに倒させられている。それ以来その力を使わない事を誓い、陰陽寮に匿われた。羅刹と金剛は、百鬼王と境遇が似ていたため、百鬼王に引き取られた。

第八章【百鬼】

 その日、尊愚は道満に対しある提案を持ちかけた。それは、平安時代の白毫隊の一人であり、阿倍清明を殺害した反逆者である、「百鬼王」を復活させようというものであった…。百鬼王は天候を操ることのできる白毫使いである以前に、白毫使いを邪眼使いに変えることのできる“マレビト”であった。その力を我が物にできれば、白毫使い達の妨害により未だ目標数集められていない禍御霊の力をカバーする事ができる。更にそうなれば、道満の『命脈白毫』を開眼させるには後僅かの禍御霊が集まれば済むという状況になるのだ。そしてその百鬼王の復活の手立てがいよいよ判明したのである。早速、道満の命を受け、封印を解くために現場へと向かう尊愚であった…。

 その頃、ナイバスはシンガとの戦いを終えたのち、土門たちの温泉宿の復興に協力していた。そんな中、SPRからブロムに、白毫使いによって街が破壊されているという連絡を受け、一同は現場に急行する。

そこでは、部下の白毫使いコンゴウとラセツと共に復活した百鬼王が暴れていた。彼は道満の命令を無視し、人類の駆逐を目論み破壊活動を開始していた。人類が居なくなれば、禍御魂の供給源がなくなってしまう。それどころか、百鬼王の目的は全人類の駆逐…。その対象にもちろん道満も含まれている。それを止める為に、シンガ・斬鬼・ソングが。そして、ラセツとコンゴウも百鬼王を止める為、戦闘を繰り広げていた…。状況が呑み込めないナイバスであったが、百鬼王を倒す為戦いに加勢することに…。とにかく百鬼王と戦うがかなり強い。その時マコトの手元に『伝説の剣』が現れる。これなら勝てるかもしれないと期待した一同だったが、百鬼王に一蹴されてしまう(伝説の剣を、百鬼王の強さを分かりやすく描く為のカマセにする)。そんな中、平安時代に戻り、百鬼王たちに直接会っているエンは、その状況を以外に感じていた。なぜなら、百鬼王は平安時代において、白毫隊として共に戦った人物だったからだ…。いったい彼に何があったのか…。気になったエンは、ラセツとコンゴウに経緯を伺うことにした。かなりの強敵である百鬼王に苦戦する一同は、一度体制を整える為、アザミの力でイヤシロへと転移するのであった…。

イヤシロにて、一同はラセツとコンゴウから事情を聴く。白毫隊は道満との戦いを終え、神々との約束を果たすために、清明の元に集結した…。そこで、来たる未来のために白毫を封印する。その儀式の最中、百鬼王は謀反を起こしたのだという。百鬼王は白毫使いと道満達が居なくなり、そこで反逆を起こすことで、自らの“人類駆逐”を実行しやすい状況を待っていただけであり、その目的は当初から変わらなかったのだという。百鬼王は幼少の頃から人間の傲慢さを疎んでおり、人類が滅びる事こそ最善であると考えていたのだ。部下であったラセツとコンゴウは百鬼王を止めるため数多の呪術師たちと共に戦い、百鬼王と共に封印されていたという話だった。

何としても百鬼王を止めなければ…。しかし、先ほどの戦いでその強さを見てきた一同。道魔の軍勢をも一ひねりにしてしまう百鬼王との力の差は歴然であった…。

そんな中、八雲が一つの提案を持ちかける。以前一度復活を果たした百鬼王を再び封印した“鬼丸”という白毫使いを復活させようというのである。そして八雲から鬼丸の話を聞いた一同は、その鬼丸が封印されているという現場へと向かった…(鬼丸回)。

一同はそこで見事、鬼丸を復活することに成功するのだが、現地を守護してきたという寺の住職が現れ、一同を叱責する。なんと、鬼丸は百鬼王を封印した後、愛する渡良瀬ノ巫女が人間の手によって殺害されたことをきっかけに狂乱し、正気を失ったままこの寺の守り人に封印されていたというのである。

復活した鬼丸は、百鬼王をも凌駕する力を持っていた。他人の能力を奪うことのできる能力を駆使し、暴走しながら、ありとあらゆるものを破壊していった。百鬼王は、この状況を好都合と、鬼丸の力を利用しつつ、人間駆逐の速度を速めて行った…。そして、この状況を打開し、各々の目的を果たす為、道魔・ナイバス対百鬼王・鬼丸の戦いが始まった…。

シンガを守るエン等珍しい光景も繰り広げられつつ戦うも、鬼丸は強かった…。そんな中、シンガは百鬼王の左腕を切り落とす事に成功するのだが、一瞬の隙をつかれ鬼丸に殺されてしまう。シンガの手からこぼれ落ちた百鬼王の腕を手にした斬鬼は、シンガと尊愚を連れて、道満の船へと帰還した…。

そして、次々とその凶刃に倒れていく一同。そんな中、予想だにしない事が起きる。鬼丸は、人間以外にもあらゆるものを破壊したのだが、その事が百鬼王の目的に反していた。百鬼王は人間のみ駆逐できればそれでいい。全ての命を奪うつもりなどなかったのである。そんな百鬼王と鬼丸との戦いが始まった。ナイバスも道魔の軍勢も、もはや蚊帳の外であった…。

互角と思われた二人の戦いであったがいよいよ百鬼王が傷つき始めた。そんな中、ナイバスの中で唯一まだ戦うことのできるエンが、二人を倒す為刃を向けた。だが、百鬼王の一撃により、瀕死の重傷を負ってしまう。そして、百鬼王は人間に刃を向けるようになった経緯・自らの思惑をエンに語ると、「人間は己の事しか考えない愚かな生き物」だと、強い感情と共に吐き出し、エンにとどめの一撃を刺そうとした…。地面に伏し、これまでかと思うエンの目に、ある物が飛び込んだ。自らが纏う鎧の腕に「いつもありがとう」と文字が刻んであった。そう、かつてスズネが気を失うバザラを新たな鎧として彫りあげたあの時、刻んでくれていたものだった。それを見たエンは、「自分の事だけ考えている人間ばかりじゃない…」とつぶやくと、百鬼王の攻撃を間一髪よけた。そして、戦いを放棄し、人々の避難に尽力し始めたのである。その姿を見た百鬼王の心が僅かに揺れ動く…。そして、強大な一撃を喰らう百鬼王をかばったエンをい見て、百鬼王は心を入れ変える。「お前のような奴がいれば、人間もまだまだ捨てたもんじゃないのかもしれないな・・・」。そういうと百鬼王は、死にゆく間際にエンに自らの白毫の力を託す。そして能力を手に入れ、新たな姿となったエンは見事鬼丸を倒すのであった…。

 そして、一度の静寂が訪れるのだったが…その時だった。大地が揺れ、突然地表から数多の光の玉が出現する。この戦いの影響で、地球が暴走を始めたのだった…。

最終章【我意有】

 その日、車椅子に座るひとりの少年が、病院の窓からぼんやりと外を眺めていた…。その少年はアスリートを目指して日々練習を重ねていたのだが、以前、ナイバスと魔物との戦いに巻き込まれ負傷。歩くことさえままならなくなってしまった。少年はナイバスの事を恨み、人類の敵と考えていた。そして、信心深い彼は、自らの足が治るようにと、日々神に祈っていた…。

 時同じくして地球の暴走が始まると同時に、道満は最後の作戦決行に向けて動き出していた。道満は溢れ出した地球の光を、先の戦いで手に入れた百鬼王の腕の力で邪悪な光に変容させ、それを人間に植え付けることで邪眼使いに変えるという作戦だ。

最終作戦の一つとして、先の戦いで命を落としたシンガに対し、汚名返上の命令を下す。人々を言霊の力で操ることのできる邪眼使いであり、地獄にいるであろう“カンダタ”をこの世に呼び戻そうというのである。そして、カンダタの力で人心を操り、人々に邪悪な光を食べさせる事で邪眼使いに変えようというのであった…。

 一方ナイバスのメンバーは、突如として強い霊力を放ち始めた土地があることを突き止めた。その場所が、地球の暴走と関係があるのではないかと感じた一同は、急ぎ現場へと向かっていた。

 そこは、以前全国を渡り歩いていた時に訪れていた磨崖仏のある場所だった。なぜこの場所から強い霊力が放たれているのか分からなかったが、スズネがその磨崖仏に触れた途端、その石像が動き始める。それは“マレビト”が人知れず暮らす里の入口であった。

 そこでは、マレビトの中でも先の短い老人たちが、持てる全ての霊力を使い、現世とつながる扉を永遠に閉ざそうとしていたのである。不覚にもそれを阻止してしまったナイバスの一同は、マレビト達に捕まってしまう。そして、里の長の部屋へと通される一同は驚愕の物を目の当たりにする。それは、八雲が探していた“伝説の巻物”の続きであった。そして、そこには、ナイトメア・バスターズたちが道満との戦いに敗れ、闇の世界が訪れるという未来が記されていたのである。だからこそ、マレビトの里の人間は、最後の力で滅びゆく現世との扉を閉ざそうとしていたのであった。

 肩を落とす一同であったが、「その未来を変えよう」と言って巻物を破ったエンの鼓舞に奮起し、一同は道満との最後の戦いに繰り出したのであった。

 ナイバスは八雲の指示で、道満の船のバリアを破壊するため、これまで出会った伝説の白毫使い達を召集すると、千葉県の鹿島神宮に奉納されている“布都御魂の剣”を手に入れる為に現地へと向かった。

 しかし、そこで一同の前にバリア破壊を阻止するために尊愚が立ちはだかる。尊愚は、逃げ惑う人々に向かって「助けを求めて祈れ」というと、地球の光が人々に吸収された。そして、白毫使いとなった人々に向かって、百鬼王から奪った左手を翳すと、人々は邪眼使いとなった。そして、量産型邪眼兵としてナイバスに戦いを挑んできたのである。

 その攻防を何とか制した一同は、見事“布都御魂の剣”を手に入れると、道満の船のバリアを破壊した。そして、ついに敵の本拠地に乗り込もうとしたその時、潮来のい力に目覚めたイタコに、ハヤトが憑依。一同に重要な情報を伝え始める。

 それは、道満が今まで集めた禍御魂の力であの世にも魔物の軍勢を放ち、あの世をも侵略しつつあるとの事だった。神々や、先の戦いで亡くなったエンの親友である舞人、そして、ハヤトやミヤビが必死に食い止めようとしているのだったが、シンガが“カンダタ”を復活させ、現世に蘇ろうとしているらしい。この状況を打破するため、急ぎ、道満を滅ぼしてほしいとの事であった。

 急ぎ、道満の船へと乗り込もうとする一同であったが、その時、一同の前に巨大な魔物が出現し、街を破壊し始める。エン・マコト・ブロム・ウシトラはその進行を食い止める為、持てる最後の力を使い大建神を起動させると、戦いに向かった…。エンが変神できる力は後二回しか残っていない…。それ以上の変身は、エンの死を意味していたのだが、それでもエンは戦いに身を投じたのであった。

 魔物と戦う一同をサポートし、民間人の避難を急ぐナイバスのメンバーたちは、ある病院で一人の少年と出会う。あの、歩くことが出来なくなった少年であった。少年をずっと看病してきた姉曰く、彼が歩けないのは「気持ちの問題」であるという。ナイバスのせいにして、リハビリもしない少年に対しずっと説得を試みてきた姉であったが、彼の気持ちは変わらなかった…。その事実に罪悪感を覚えたナイバスの一同は、彼を救おうと手を差し伸べる。しかし彼は「自分をこうした奴らの助けなんていらない」と言い放ち、一人街へと飛び出して行ってしまう。そんな少年の後を、ナイバスのメンバーも追いかけるのだった。

 そんな中、突如として新たな刺客が出現する。シンガと共に蘇ったカンダタであった。カンダタは自らを蘇らせたシンガを邪魔者として殺害。その後、道魔の力を使い、牛久の大仏を操り街へと進行を開始していた…。

 一方、エンだけでなく、マコト・ブロム・ウシトラも大建神を人型に変形させて戦い、何とか巨大な魔物を倒す事に成功する一同。…しかし、多くの民衆から「街を破壊した張本人」ととらえられていた。魔物と思って戦っていた相手は“悪霊”だったのだ。霊力のない人々は幽霊を見ることが出来ない。つまり、エン達だけが街を破壊して暴れまわっていたと思われていたのだ。

 そこに大仏を操り現れたカンダタは、自らが“神”であると民衆に訴えた。そして、大建神の脅威から「助けてほしくば我に従え」と語るのである。そこにあの車椅子の少年が現れた。少年は歓喜した。今まで祈りを捧げてきた『神』を実際に目の当たりにしたからだ。そして、「やはりナイバスは人類の敵だったと」吹聴したカンダタの言葉を信じ、少年や民衆はバスターズに更なる憎しみを抱いた。そして、そんな人々の期待に応えるように、カンダタはエン達に攻撃を開始した。

エン達は、カンダタを食い止めようと必死に戦うも歯が立たない…。
エン達をボコボコにするカンダタに対して祈り、讃え、歓声を上げる民衆……。このままではエン達に勝ち目はない!そう思われたその時だった。負けそうになるエン達に対して叫び声上げたアザミのの体が光輝いたかと思うと彼女は、手に入れていなかった最後の破魔札に姿を変えたではないか! 平安時代に道魔によって殺されていたリカは、死にゆく瞬間、清明の手の中で破魔札に変わっていたのだ。そう、アザミは清明の遺志により、“破魔札”の式神として現世まで生き残り、エンに力を貸していたのである。

そして、エンの周りに、これまでそろえた十二の破魔札が集合すると、白毫使い達に最後の力を与えたのだ!行動不能になっていた、ブロム・マコト・ウシトラの乗る大建神がエンの大建神と交わると、さらに巨大な建神へと姿を変えたのだ!!
再びカンダタと交戦する白毫使い達。カンダタと互角、いやそれ以上の力を手に入れた彼らは、いよいよ相手にとどめを刺す時が来た!そう思われたのだが。……カンダタは強かった。『言霊の力』を使ってエンたちの動きを操った。崩れ、合体が解ける…。大建神の動力である“玉響ノ炎”もついに尽きようとしていた…。
満身創痍の白毫使い達を尻目に、カンダタはいよいよ人々を洗脳し、大地の光を飲み込ませようと身構えた。道満はソングに指示を出すと、ソングは百鬼王の左腕をセットした特殊な装置を起動した。すると、大地からあふれ出る光が次々と邪悪なものに変化していった。後はカンダタが洗脳すれば、人々は邪眼使いに変化する。
カンダタは人々にこう伝える。「さぁ、敵はいよいよ虫の息だ。私を崇めろ! さすればお前達に永遠の命を与えてくれる!」。ざわめく人々……。

いよいよ最大のピンチを向かえたバスターズだが、スズネが一か八かの秘策を思い付き、ある人物に連絡を取った。

そんな中、車椅子の少年がカンダタの操る大仏の足元に立ちつと、カンダタに向かってあることを申し出た。「神様、お願いですどうかこの足を治してください」。

ところが、そんな少年に対しカンダタは「あん? 足なんてどうでもいいだろ? 言うことを聞くだけでお前はこれから永遠の命をえられるんだぞ?」
しかし、少年はこう返した。「僕は別に永遠の命なんて入りません。どうかこの足を直してください! アスリートとして活躍したいんです!」。そんな少年に対しカンダタは眉をしかめると、「何だ? 俺は神だぞ従えないのか? 目障りなやつめ、計画の邪魔だ!」と言い放つと、少年を一気に踏みつぶそうとした!

その攻撃を、今にも力尽きようとしていたエンが受け止めた!

それを皮切りに、エンたちの事を敵だと思っていた少年の心に変化の兆しが見え始める。

そんな中、いよいよカンダタは人々の洗脳を開始する。このままでは敵の思うつぼ。皆邪眼使いになってしまう!

その時突然、街中のあらゆるスピーカーからある人物の声が鳴り響いた。有名なオカルト系動画配信者としてトップインフルエンサーとなっていた桐谷だった!スズネが連絡を取ったのだ。桐谷はスズネに言われた通り、民衆に真実を伝え始めた。その言葉を信じるものが現れ始める。カンダタは「そんな言葉が言霊の力に勝るはずがない! 俺を信じろ! 崇めろ!」という。その言葉通りに洗脳され、地面にひれ伏しながら祈り崇めるものもいたが、桐谷の言葉を信じて洗脳されない者も見受けられ始める。カンダタは焦り語気を強めると、再び洗脳され始めて崇めるものが増え始める……。その繰り返しとなっていた。

その光景を見ていたエンはこれまでの戦いの中で出会ったきた『神を信じていた人たち』の事を想い出していた。そしてある事に気がつくと、人々に想いのたけをぶつけるのだった!

 「皆、もうやめて! 僕…わかったよ…。みんなが思っているような“神”なんて、この世に存在しない! あったとしてもそれは、一人一人の心の中にしかないんだ…。だから、それは決して、祈るものでも、崇めるものでも…増してその身をゆだねるものでもない!幸せは…自分で掴みとるものだ!!」

 「だから…僕は…この手で明日を取り戻す!!!!!!」

そう言うと満身創痍の体で最後の力を振り絞り、再びカンダタに立ち向かっていった! カンダタに一撃を喰らわせるエンであったが、もう彼に残された力は後僅かであった…。

このままでは、あの伝説の書の通りの未来が訪れてしまう…。万事休すかと思われたその時だった。
車イスの少年はが民衆に向かって声を上げた。

「そうだ、そうだよ皆! きっとあいつらの言うとおりだ…。目の前にいるのは偽りの神…。神なんていないんだ…!僕は信じるよ! …僕は今まで、ずっと全部人の責任にしてきた…。でもそれは間違いだった!この足の事も、未来の事も自分で掴みとらなきゃいけないんだ!」そういうと、車いすから身を乗り出した彼は、自分の足で大地を踏みしめたのだ! そるとどうしたことだろう、その言葉の力なのか、闇に染まっていた地球の光が一斉に輝きを取り戻す!そして少年の体内に、地球の光が飛び込んだ! 少年は新たな白毫使いとなったのだ!

飛行の能力が顕現した彼は、カンダタの操る大仏に一人立ち向かっていった! するとそれを皮切りに、他の人間たちも白毫使いとして覚醒し始め、一人、また一人とカンダタに向かって戦いを挑んでいった。そう、エンや少年の言葉はカンダタの言霊の力を凌駕したのである!

民衆は大仏の体に纏わりついて行動を抑制した。そして大仏の心臓部に取り付き、少年はエンに向かってこう叫ぶ。「エンさんは『未来は自分で掴むもの』だって言ったよね。でも……幸せは……皆で掴みとるものだーーーーーー!」

そして大仏の心臓部をこじ開けるとカンダタの体を外に露出させたのだ!

エンは最後の力を振り絞り“玉響ノ炎”も消えかけ動かないはずの大建神で天高く跳躍した! そして、大気圏から舞い降りる際に発生する炎を自らの力とし、超スピードで落下。その拳でカンダタの体を貫いた!!!!!!!! こうして見事、カンダタを打ち破ったのである。
戦いを終え大建神のコックピットで一息つくエン。すると、突然体が光輝き半透明になってしまう…。何事かと思っているとリカが現れ大きな鏡を取り出したかと思うと、あの世の神々の姿がそこに写し出され、ある言葉をエンに伝えた。「お前の言葉は正しい」と…。そう、神とは人々の“心”が作り出した空想の産物だったのだ。そして、何とエンは不動明王の息子であり、はるか昔、神々のやり方が気に入らず、人間界へと降りてきた“ダン”という者であった。不動明王は初めエンをよみがえらせたとき“神とはなんだ”と質問を投げかけていたが、それは、あわよくば白毫使いになったもの達の中から自分の息子を見つけ出したいという想いがあったからであった。

その事実を知ったエンの体が現世から消えるのも時間の問題であった。

消えゆくエンに不動明王が語る「ダン、問いに答えを出したお前には、既に真の力が宿っている。行け。これが最後の戦いだ。蘆屋道満を滅ぼすのだ!」
カンダタとの戦いを制した一同は、ついに道満の船へと乗り込もうと身構えた。だが、エンの体は消えつつあった…。そんなエンを見た白毫使い達は、バスターズのメンバーに言い残したことがあるなら伝えてこいと言う。そしてブロム・マコト・ウシトラは一足先に飛翔の能力で道満の船へと向かうのだった。

 道満の船に乗り込むと、旅の最中に因縁の相手となった斬鬼を倒すウシトラ…。そして、ついに道満の居る部屋へとたどり着く一同は、ついに最後の戦いを開始した…。

一方、バスターズの元にたどり着いたエン。皆に感謝を伝えようと近づいた。スズネには消えゆくエンの本来の姿が見えていた。エンが“八神”であることに気づくスズネ…。そして、エンが最後にスズネに対する想いのたけを伝えようとしたその時! なんと生きていたシンガによってスズネが殺されてしまう。エンは瞬く間にシンガに止めを刺すと、その身を怒りに任せ、一気に道満の船へと跳躍した!

船では尊愚が待ち構えていたが、もはや敵ではなかった。一刀両断断ち切ると、エンは道満の部屋の扉を開く…。そこには、ブロム・ウシトラが倒され、ついにマコトも倒されようとしていたのだった…!

 道満は今まで集めた禍御魂の力を使い、ついに“死”をつかさどる究極の白毫を完成させ、自らの力としていたのだった。道満はあらゆる命を思うがままにできる存在となっていた…。道満に触れられたが最後、命を奪われてしまうのである…。道満は、「もはやこんなものは必要ない」と、懐から取り出した一冊の書物を取り出すと、それに火をつけ燃やしてしまう。それは、ウシトラが探していたこの世の理の全てが書かれていると言われる“陰陽伝”であった。そして道満は、因縁の相手である清明の意思を受け継ぐエンに対し、自らの恨みの吐き出した。

道満は、かつての恋人であった八雲を清明に奪われたことをきっかけに、清明を恨むようになったのだ。そして、清明から奪った“陰陽伝”を読み解き、この世の謎を紐解いた。そして、清明に復讐するためにそこから得た知識で、闇の存在となったのである。そして道満はエンに対し、「愛する者を奪われる気持ちがお前に分かるか!」と叫ぶのだった。

そんな道満に対し、今までの戦いで死んでいった者達、そしてスズネの事を想いつつ、「そんなこと…誰よりもわかってるよ!!!」そう叫ぶと、エンは散って行った仲間たちの白毫の能力を吸収し、新たな力を得る!そして見事、蘆屋道満を倒すことに成功するのであった…。

戦いは終わった…。燃えながら大地に落ちていく船の上で、消えゆく体を見つめるエン…。そこに突如、かしわ手を打ちながら、一人の男が現れる。その男の首には、赤い傷があった。そう、マコトが探していた復讐の相手であった。

その者は、折戸零に道満復活の話を持ち出した時から今までの道満の行動をすべて陰から傍観していたのだ。そして、自分には倒すことのできない道満を倒してくれたエンに礼を述べる。彼は道満が居なくなった今、道満が集めた禍御魂の力を使って復活を果たそうと目論んでいたのである。そう、これまでの事は全て彼の思惑通りに進んでいた事だったのだ。

彼の平安時代の大怨霊“平将門”であった。彼は、この国を支える神としてまつられてきたが、いよいよ愚かな人類に愛想が尽き、この地球ごと破壊し全てを無きものにしようと、“織戸幸愛会の幹部”に乗り移り暗躍していたのだった。

将門は、船から禍御魂を吸収すると、ついに本来の姿を取り戻す…。そして巨大な魔物へと姿を変えると、宇宙へと飛び出していった。そして、エンは、巨大な輝く龍の姿に変わると、将門の後を追っていった。

そして、地球を破壊するために禍々しい光線を放った将門の攻撃を自らの体で受け止めたエンは、その攻撃を跳ね返し、見事“平将門”の野望を打ち砕くのであった…。

宇宙空間にて…。エンにひと時の静寂が訪れる…。消えゆく体を見つめながら、エンはこれまでの事を思い出していた…。そんな中、突如エンの前に、光に包まれた一人の女性が現れる。それは、エンが会いたがっていた自らの“母親”であった。ようやく会えた事に涙するエン。しかし、そのエンに対し女性が語ったことは、意外な事実であった。

その女性は生前、子供ができない事に悩んでいたのだが、ある日自宅近くの神社に一人の赤ん坊が捨てられているのを見つけた…。それがエンであった。いくら探してもエンの親は見つからなかったため、女性はエンを引き取り育てることに決めた。エンは女性の生きる希望、心を照らす炎だった…。だから女性はエンとなずけたのだという…。そう、白毫から生まれたエンにそもそも母親はいなかった…。だからこそ、自らの力で召喚することが出来なかったのである…。

全てを知ったエンに対し、「もう疲れたでしょ…一緒に行きましょう」。そう語る女性に対し、エンは告げる。「まだやることがある」と・・・。

エンはバザラに頼み、最後の変神を遂げると、富士山頂めがけて一気に降下していった。そして地球の核へと飛び込むと、鎧を纏ったまま即身仏となりそこに鎮座したのである…。

すると、地球の上では奇跡が起きていた。戦いに敗れ散っていった者たちが息を吹き返したのである…。そして、静寂が訪れ朝日が差し込む大地の上に、ナイバスのメンバーが、一人、また一人と集結していた…。そこに訪れたブロムの片目からは魔傷線が消え、ウシトラは人間の姿になっていた。新たな地球の神となったエンが奇跡を起こし、この世界の白毫の力と、魔物の力を封印したのである…。そう、エンは、地球の細胞“セルガイア”となったのだ…。

こうして、永きに渡る白毫使い達の戦いは、ここに幕を閉じた…。それから数年後、人々の記憶から、エンの存在は消え去っていた…。エンの言葉通り“存在しないもの”である神であったエンの事を覚えているものは誰ひとりいなかった…。

しかし、エンはこれからも、この地球(ほし)の神として人々を護っていくことだろう…。そしてエンは生き続けるだろう。

この物語を知っている…あなたが覚えていてくれるなら…。

メモ≪最終戦で加勢するメンバー≫

マイ・アヤノ・ドモン・ミユキ・ヒデジ・ラセツ・コンゴウ

・十鬼隊率いる鬼の軍勢

・心霊現象研究会SPRのメンバー

【神威一覧】

エン→神とは何だ

マコト→仲間とは何だ

ブロム→愛とは何だ

ウシトラ→己とは何だ

◆ミヤビ編メモ

設定

【竜の瞳】

平安時代に強悪な魔物を竜神像に封印するために用いられた二つの指輪。

片方が竜の祠の竜神像の目を塞ぎ、1年間放出され続ける108体の魔物の眷属達の正気を吸い続けることにより、その魔物を沈静化している。その間、ミヤビのいる村に奉納されているもう一つの瞳は浄化される。二つの指輪が所定の位置にあることで均衡が保たれ、魔物を封じていられる。

一年後その二つを交換する儀式として、祭りが催されてきた。

万が一、一年以上祠の指輪が瘴気を吸ってしまうと壊れてしまい、108体とともに封印されていた強大な魔物が祠から逃げ出してしまう。

もともとは強い霊力を封じることのできるものであったが、優の指に憑りついてからは、指輪は優の精気を吸い取ることによって自らを浄化しようとしていた。

108体の魔物の瘴気をため込んでいるため、装着した優の体を徐々に蝕んでしまう。

大元の108体の魔物がいなくなれば、この瘴気も消えるため、優の体を蝕むことはなくなる。

竜の瞳は瘴気を浄化できれば首から外れるのだが、それは優の命と引き換えとなる。

優を救いたければ、一刻も早く108体の魔物を倒す必要がある。

108体の魔物も、優の指輪を粉々に破壊できれば元締めの凶悪な魔物を復活されられるので躍起になっている。(祠の指輪は竜の像の霊力で守られているため破壊できない)。

【村のあらまし】

室町時代、霊が見えるということから村人たちに迫害を受け、命を絶った女性が魔物となり、村を壊滅状態に追いやっていた。

そこに現れた一人の陰陽師が、竜の瞳を用いてこれを封印。生き残った村人は陰陽師に指導を受け、迫害した女性の魔物を鎮めるため、以降年に一度祭りを行い、魔物を封じ込めていた。

ただし、これは年々形骸化し、祭りの持つ本来の意味を知るものは、村長と村のごく一部の人間のみとなっている。

主要人物

【光永雅】

・気合い主義

 泣く子も笑う光永雅!がキャッチフレーズ

 声が小さいやつを好まない、外連味あふれる祭り好きの青年。18歳

 子供のころはよくいじめられていたが、幼馴染の優に何度も助けられ、精神を鍛えていった。

 「声がちいさーい!」というセリフは、もともと優に言われ続けてきたことが移った。

 優に呪いがかかったのは自分の責任。再び彼女の笑顔を見たいという理由で、たった一人で魔物と

 戦っていた。

セルガイアの能力

 礫白毫

 無機物を浮かせて自在に操ることができる。その物体の質量が大きいほど、集中力が必要なる。

 神器は二振りの鉄扇 

  

・【優】

 元気主義

 ミヤビの幼馴染で祭り好きの少女。男勝りで気が強い。

 竜の瞳を指にはめてから、村長に匿われた。

  優が覚醒している時には、指輪の力で守られているため魔物は近づくことができないのだが、

 いざ入眠し無防備になると、指輪を葬らんと祠の魔物が襲いに来る。

 そのため、本人は魔物に狙われているということは知らず、原因不明の病に伏している

 と思い込んでおり、ショックを与えないために、村の人間からも事実をひた隠しにされている。

 そうなってからというもの、笑顔を見せなくなった。

あらすじ

一人の少年が謝ることを知り、一人の少女が許すことを知る物語。

 光永雅は、村に伝わる祭りが好きで、毎年祭りを盛り上げている先輩たちにあこがれていたが、

参加できる18歳に達していないという理由から、参加できないことにやきもきしていた。

増して、信心深くないミヤビは、そのしきたりをばかばかしく思っていた。

雅はひそかに想いを寄せる幼馴染の優が祭り好きということを知っていたので、

早く先輩たちのように祭りを取り仕切り、優に喜んでもらいたい、そして自分に振り向いてほしいと願っていた。

一刻も早く祭りに参加したいと望んでいたミヤビは我慢ができず、この年ある行動を起こす。

それは、「祭りの最中『竜の瞳』を盗み、先輩たちを出し抜いてやろう」というものだった。

それは、ナイバスとミヤビが出会う丁度一年前の出来事であった。

 祭りの晩、ミヤビは竜の祠にある瞳を盗むと優にプレゼント。虚勢をはって見せた。

しかし、それを指にはめると優は気を失い、祠から一体魔物が出現する。(指輪外れなくなってる)。セルガイアを覚醒させたミヤビは魔物を倒すことに成功

。しかし、その場にやってきた祭りの一行が、瞳がなくなっていることに気が付き慌てふためく。

その様子を物陰で見つめるミヤビは、ようやく自分がとんでもないことをしてしまったと気が付く。

その後、瞳を盗んだのがミヤビであるということを知った村長に呼び出され、ミヤビは次の年の祭りまでに、

毎夜優の寝しなを襲ってくる108体の魔物たちをすべて倒すことを誓い、日夜戦いに明け暮れていた。(本来納めなければならなかった場所に指輪が無いため、魔物達が襲ってくる)

一年後。

いよいよ祭りの日が近づいていたのだが、いまだ倒すべき魔物は108体には遠く及ばなかった。祭りの日までに倒せないと、優は体力が尽きて死んでしまう。

ミヤビは焦っていた。

そんな時、村にやってきたナイバス。

村は魔物の巣窟となっていた。

エンの説得により、ともに戦うことを誓うミヤビであったが、

祭りの日はいよいよ明日に迫っていた。

優に残された体力もあとわずかであった…。

優は、最後に大好きな祭りを見たいと懇願していた…。

そんな優に手作りの御守りを渡すミヤビ

であったが、「お前からの贈り物はもういらない」と拒否される。

そんなミヤビに対し、エンがある提案をする。

予定通り祭りを決行し、同時に皆で協力しあい魔物を倒そうというものであった。

作戦を立てると、いよいよ祭りを決行するのであった。

【作戦内容】

雅のつぶてをドローンの代わりにして監視カメラにする

優を説得して連れて行く

雅 神輿の中の彼女を直接護衛とつぶての操作。礫で防壁を作り観衆を守る

エン 戦闘隊長

バン ブルバイソンで先導

バザラ 小型の魔物の肉眼探知

アザミ エンを魔物の眼前にテレポート

小柳出 バザラに同行(珍しく活躍できそうで喜ぶ)

五十嵐 バイソンの中でカメラチェック

琴音 会場整理誘導

イタコ 会場整理誘導(大きな声が出ないのでホイッスルで)

スズネ

ブルバイソンで礫に取り付けたカメラ操作

これが伏線で、雅も神輿を礫の能力でオートパイロット操作。

読者も騙す。(実は雅は優の乗った神輿を一人で創作して、祠に向かっていた)。

優をかくまった神輿を礫で操作し、ミヤビは先に祠へと向かっていた。(万が一優が指輪の呪いで死んでしまっても、すぐに交換出来るように)。結果的に日付がかわるギリギリだったから助かる。

(演出で、ずっとミヤビは祭りの会場にいると、魔物にも、読者にも思わせておく。)(祭りの神輿の中にはバンが開発した囮)。

見事108体の魔物を倒すことに成功する一同だったが、

祠で瞳を交換しようとすると、シンガが現れ、首輪を二つとも破壊。

強大な魔物(見た目しょぼい)は目覚めてしまい、ミヤビは瀕死の重傷を負う。

今わの際に、優の笑顔がもう一度見たかったミヤビは、祭りのクライマックスを締めくくる花火(それにより瞳の交換完了を示す伝統儀式)

を打ち上げるのだったが、ミヤビはうれしくなかった。

そこでミヤビはあることに気が付く。

自分は優の笑顔が見たかったんじゃなくて、謝りたかったんだと。

雅は優に謝罪の言葉を述べると、晴れやかな気持ちになり。そのまま絶命。

そこで、破魔札に変化する。

破魔札を手に入れたエンは、その力を使って魔物を倒すのであった。

(礫の能力で巨石などをを宙に浮かせて、普段より高くジャンプするが、あとわずか浮遊する魔物に届かない。そこで、神器を足蹴にもうひと跳びして倒す。)

最後に、御守りを受け取らなかった優は、破魔札を受け取る。

物語の流れ

優の兄が久方ぶりに、祭りを手伝うために村を訪れる。

なぜか村の鳥居をくぐると、元の場所に戻ってしまう。村に入れない。

ナイバスに手紙を送る。

ナイバス村を訪れ、入り口の鳥居の結界を解き侵入。

魔物の巣窟になっている。

魔物と戦うミヤビ登場

ミヤビが戦っている最中に、ミヤビの取り巻き二人が、ナイバスを問い詰める。

苦戦するミヤビに加勢するエン。白毫使いが他にもいたことを初めて知るミヤビ。

魔物を倒すが、これで終わりでないことを暗示するミヤビ。現場に車を回していた村長が、

一同を優のところへと連れていく。(次の魔物が再び優のそばに現れるのがこれまでの通例だったから)

次の魔物が襲ってくるまでの間に、村の人間がナイバスに村のあらましを説明する。

(年に一度の祭りについて→室町時代のできごと→一年前の祭り→ミヤビの望み【俺は明後日の祭りまでに残りの魔物を倒して、指輪のとれた優に祭りを見せる。

そして、優の笑顔を見たい】→現状ミヤビ以外、明後日までに残りの44体が倒せるとは思えない。)

再び現れた魔物の気配を察知するミヤビとエン。

ミヤビの解説の声がうるさくて、優が起きてくる。

それによって魔物は逃げていく(優が起きているときは竜の瞳の法力で近づけない魔物)

ミヤビは優に御守りをプレゼントするが、受け取ってもらえない。

喧嘩(ふたりの関係性がわかる)

ミヤビ寝る

起きてくるとナイバスがミヤビのためにある作戦を考案していた。

【祭りと魔物退治を同時に行う作戦】

祭り当日作戦決行。

神輿に乗せた優の体力は限界に近づき気を失っている。

魔物達は日付が変わる前までに指輪を壊せれば、凶悪な元締めの魔物を復活させられるので躍起になっている。

作戦は順調に進み、魔物は最後の一体になったが、

いよいよ108体目が優の乗っている神輿を襲う。

間一髪のところで神輿のところにたどり着くエンは

魔物を倒す。

読者にはその神輿に優が乗っていると思い込ませておくのだが、

実は優はミヤビとともに、すでに竜の祠付近まで接近していた。

見事優の指輪が外れ、祠に戻そうとするミヤビの前にシンガが現れ指輪を二つとも破壊。

魔物復活。ミヤビ重傷。

ナイバス駆けつける。

花火を上げるミヤビ。今わの際に優に謝罪。

エン、ミヤビの破魔札で魔物を倒す。

優、ミヤビの行いを許し破魔札を受け取る。

どっかに幼少期のミヤビと優の話を入れたい。ミヤビの独白とかが良いかと思われる。

◆土御門舞編メモ

【土御門町舞について】

 髪の毛を自在に操る事ができる髪結白毫の能力者。魔物退治を家業としており、家族のバックアップのもと、各地を転々としながら魔物退治の日々に明け暮れている。しかし、本人は画家になることを夢見ており、魔物と戦う事をやめたいと思っている。家業だから仕方なくやっている。

☆イタコが霊求社のメンバーと出会う少し前、高校時代の話☆

イタコ、幼少の頃、公園で遊んでいると同年代の男の子達にいじめられるが、これまた同年代位にの女の子に助けられる。「これがあれば勇気が湧くよ。私だと思ってずっと持ってて」と言われて陣羽織を渡される。約束の指切りをするが、イタコは人差し指でやろうとして突っ込まれる。

イタコ、高校生のある夜、魔物と戦う女性を目撃。

翌日学校に転校生がやってくる。それが舞。

となりの席に。舞、独り言が多かったり、家野お迎えが牛車だったりとちょっと変わった子。

ある日、魔物退治を終えた舞が陣羽織を脱ぐ瞬間をトイレで目撃してしまったイタコ、口封じの為に友達になろうと舞に言われる。

引っ込み思案で友達にがいなかったイタコは承諾。舞の家に遊びにいくことに。

舞の絵を見て感動。舞の話を聞く。イタコも自分のこと話す。友達を作りたいなら、何か特技はないかと聞かれて、怖い話を聞かせる。舞に感心される。絵画指導の先生が来たので楽しい一時お開き。

イタコ、学校行事のキャンプで舞に背中を押され、生徒に怖い話を披露。一躍人気者に。

イタコが人気者になる反面、舞は変わり者扱いされて受け入れられない日々が続く。(この学校では今度こそ普通でいたいと思っているのに)。魔物との戦いも増えるなかで、絵画の腕が落ちていることを絵画指導の先生に指摘されさらに落ち込んでいく。

イタコの怖い話はたちどころに有名になっていった。だんだん話に尾ひれがついたり、虚言が多くなっていったが、人気は増すばかりだった。

ある日イタコは、舞に「遊び半分でやったら絶対にだめ」と言われていた降霊術を、自分の人気を保つためにやってしまう。

魔物が現れる。舞が助けに来るが、口を滑らせ、その人物が舞であることを喋ってしまう。

舞、「もうこんなのいやだ!」と、イタコにバラされた事や日頃のうっぷんをぶつけるように陣羽織を脱ぎ捨てるとその場を去ってしまう。

そこを絵画指導の先生が襲いに来る。実は魔物だった。舞が無防備になる瞬間を待っていた。

イタコが謝罪に訪れると、絵画指導の先生に殺されそうになる舞。

イタコ誤り陣羽織を渡す。

舞、魔物に勝つ

イタコ、舞に改めて謝る。舞、やはりこの戦いは自分の逃れられない使命だと思い、イタコに語る。「これからも戦い続ける。そして、そんな日々のなかでしか描けない……私にしか描けない絵を見つけてみせる」と。

イタコも約束する。「私の話を多くの人に届けていく。舞ちゃんの戦いを応援出来るように、もっと多くの人に私の話を届けられるような人間になる」と。

そして約束を交わすために指切りをする二人だったが、イタコは人差し指でやろうとする。ここで、幼少の頃すでにであっていたということを思い出す舞。今着ている陣羽織の裾を握りしめると泣きながら、「本当にずっと持っててくれたんだ」と呟く。

舞は引っ越していく。そのあとすぐに、イタコは幽求社のメンバーとと出会い、新聞部に所属することになる。


◆伝説の剣編メモ

【伝説の剣の過去】

江戸時代。儀式用の剣としてつくられた七支刀だったが賊に盗まれる。盗んだものの人斬りに使えない刀をぞんざいにあつかう賊。そこに現れた乞食が「ものを粗末に扱うな」と呟き刀を取り上げると物凄い強さを発揮する。刀には魂が宿っており。刀としての本分である「猛き者に握られ何かを斬りたい」という願望を持っていた。乞食の心の強さと優しさに惹かれた刀は乞食に力を貸し、彼を多くの悪人を斬る英雄へと変貌させていった。しかしその乞食は刀を盗んだ真犯人と思われ刀の持ち主たちの一族に罰せられ命を落としてしまう。そのご刀は封印され「再び猛き者に振われたい」という願望だけを残して現代まで残っていた。
 そして現代、その刀が封印された石碑の上にビルを建てようとしていた人間達が不慮の事故に遭うという事件が多発していた。

物をぞんざいに扱うゲンゾウにキレるマコト。物を大切にすることに意味を感じていないゲンゾウ。


道魔出現を検出現場に向かう

石碑に鎖で縛られ封印されている風化した剣を発見

触れると中に吸い込まれ別次元へ

数体の魔物と戦う

ソングが何やら剣ともめている

幽世と繋がりやすい空間だったため、ソングが大量の魔物を召喚。ナイバス苦戦する。

魔物との戦闘中、剣をぞんざいに扱うソングを発見してキレるマコト。

剣に気に入られる

剣を手に入れたマコト、大量の魔物を一刀両断

剣は望みを叶えて消滅。現実世界でも朽ち果て粉々に

ゲンゾウ、物を大切にするようになる。

剣は後の百鬼の章の伏線に。

◆アヤノ編メモ

【事前情報】

アヤノは子供の頃から幽霊が見れた。アヤノの兄はそれを病気だと思い信じておらず、できるなら治療してやりたいと思っていた。ある時やくざ組の組長に「治療薬がある」とそそのかされてやくざになる。アヤノは腕っぷしが強かったので、兄に足を表せるため、いつか組長をぶっ飛ばしてやりたいと考えていた。

組長は道満の手先で邪眼使い。アヤノの兄をスーパー銭湯のオーナーにしたのだが実はその銭湯、浴槽で魔物を飼っており、そのお湯には魔物の体液が含まれている。それを浴びた銭湯の会員たちは徐々に魔人に変わってしまう。会員達には知られること無く、会員達を徐々に自分達の眷属に仕立て上げる計画を、組長は立てているのだ。(アヤノの兄は知らない)。

話の流れ

クリスマスシーズン。街に新たな『スーパー銭湯』ができており、チラシが配られている。

ナイバス、魔物退治の帰り、夜にパーティーを開くためコンビニで買い物。エンだけ車から降り買い出し。

ヤンキーにからまれる。

アヤノと出会う。アヤノ、エンを鍛えるため連行。

ナイバス、スーパー銭湯から魔物の邪気を探知。エンは先にそちらに赴いたと思い、スーパー銭湯へ向かう。

エンはアヤノに鍛えられる。その最中組の連中に絡まれる。

組のミヤビの連中は既に魔人化している。

エンが倒す。

エンを見直すアヤノ。アヤノはエンに事情説明。やくざ組に乗り込むことに……。

スーパー銭湯にはエンいない。魔物の出現。マコトが倒す。従業員に事情聴取。アヤノの兄が経営者ということが判明。エン同様やくざ組に乗り込むことに。マコト渋るが、編集長が手を繋ぐと鼻血を出して卒倒。そのまま連行。

エン、やくざ組で魔人と化けた組員と戦闘。アヤノもセルガイア覚醒。透視の能力で組長の居場所突き止め向かう。

組長の部屋にたどり着くと、組長は企みを話す。そして邪眼使いとして攻撃を仕掛けてくる。(タコの能力)

アヤノ大ダメージを食らう。エンも捕まりピンチ。アザミがバスターズにピンチを伝えにいく。

組のビルの前についたバスターズ。マコトは尚も向かうことを拒んでいるが、アザミにエンのピンチを知らされ秒で向かう。

ピンチのエンをマコトが救う。

アヤノの兄、今までの自分の行いを嘆く。

組長の計らいで、今までの功績に免じてチャンスが与えられる。

手の中に握られた水の色で結果が変わる運試しをさせられることに。

・普通の水を選んだ場合

 今すぐ足を洗っていい。ただし妹を治す薬は無し。外で組の内情をばらしたら、すぐにでも殺害される。

・魔人水を飲んだ場合

 魔人に変わり、永遠の組員に。その代わり、今すぐ妹に薬を差し出す。

アヤノは透視の力で普通の水が握られている手を兄に教える。

しかし兄は反対の手を選び魔人になってしまう。アヤノ「どうしていつも信じてくれないの!?」

兄、薄れ行く意識の中で組長に薬を要求。そんなもの始めから無いと言われる。

エン、ぶちギレて組長倒す。

「人殺しじゃない」からと命だけは助け、組長に「今回の件を口外する」と伝える。

不服そうな表情を浮かべる組長。その後すぐにシンガに殺害される。

アヤノ、透視の能力で兄の体の魔に染まった部分を見つける。一か八か、エンの手を握ると、エンの武器でその部分を刺して浄化。人間に戻すことに成功する。一同感心。

エン、どうしてアヤノの兄が水を選ばなかったのかをアヤノに説明。

兄はアヤノを信じたからこそ水を選ばなかった。組でのこれまでの行いを悔い、殺されたかった。

スーパー銭湯に戻り、温泉に浸かって瘴気に去らされていた人たちは全て銭湯の会員だった為、全員集めて浄化。一件落着。クリスマスパーティー。

アヤノは地元を護るといって仲間にはならなかった。

兄と一緒にパチンコ屋を巡って、透視の能力で設定を見破り

当てようとしている描写がオチ。(良い子は真似しちゃいけません)。

◆ドモンとミユキ編メモ

ある日、バスターズのが地方で魔物との遭遇。交戦しようとするとミユキが現れ助太刀する。

見事魔物を倒すも、そこに現れたドモンに「あれほど一人で戦うなと言っただろ」と叱責される。

一同はドモンの計らいでドモン達が住む寺に案内される。

休憩がてらドモン達の自己紹介。

まず、ドモンの娘だと思われたミユキが嫁だった事に驚愕する一同。
馴れ初めを聴く事に。ドモンはかつて托鉢をしていた際、興味を持って近づいてきたミユキの事が気になっていた。毎日来るミユキに話を聞くうちに孤児だということが判明。ドモンが引き取ることに。それから献身的に尽くすミユキが好きになっていった。そんなある日魔物に襲われたとき、二人とも命を落としてしまう。しかし、一度だけ甦ることができる白毫使いの特性で、神の鎧を纒い復活。その魔物を二人で倒す。その後、ミユキの事をなんとしても守り抜きたいと思ったドモンは彼女を妻に迎えたのだ。

ミユキは治癒の能力を持っており、他人の傷を瞬く間に治すことができる力があった。そのため魔物と戦い傷付いたドモンをいつもミユキが治療していた。しかし、その能力にはミユキ自身を治療する力がなかったため、ドモンはいつもミユキに一人で戦いに出てほしくなかったのだ(次は死んでも復活できないし)。そして最近、付近で魔物が頻出しているので、益々その気持ちが強くなっているのだそう。

一連の話を聞いた一同。付近に出現する魔物を一掃することに力を貸すことにする。ひとまず疲れをとるため、ミユキの案内で風呂に入ることに。

ドモン、透明の能力で女風呂覗く。とんだエロ坊主ということが発覚。

風呂上がりに一息ついていると魔物の反応が。ミユキだけ留守番を頼まれ、一同は現場に急行する。

するとそこには邪眼使いが。実はドモンとミユキを倒すために派遣され、付近に魔物を頻出させている張本人であった。


交戦する一同。しかし、邪眼使いの能力は赤外線のような力があり、透明になるドモンの能力が全く役に立たず、ドモンは大ケガを負ってしまう。

そこにミユキが現れる。「どうして来た!? 万が一お前がこうなったら、直ぐには傷を癒せないんだぞ!?」と問いただすドモン。泣きながら「ウチも同じ気持ちなんだよ!」という。「ウチだってアンタだけに無理をさせたくないんだよ! それにウチは傷を直してあげられる! お願いだからもっとや頼ってほしいんや!」と涙ながらに訴える。

考えを改めたドモン、ミユキと共に戦う事に。

ドモンとミユキの連携必殺技で敵を倒す。

戦いを終え、傷付いたメンバーを風呂に浸からせ、そこにミユキが手を入れると、皆の傷が瞬く間に回復した。(陣羽織の治癒力より遥かに早い)。それを見たブロム、魔傷線も直せると思いお湯に浸かるが、すでに硬化して皮膚になっていたため治らなかった。しかしブロムは気を取り直し、「この力を使って魔物にやられた人々を治療する温泉施設を改行したらどうでしょう?」と二人に提案。ドモンとミユキはそうすることを決め、何かあったらいつでも駆けつけると言ってこの場に残ることにする。

◆ウシトラ編メモ

過去から現在までの流れ

鬼とは角の生えた亜人の事。角があり体が大きく力が強いだけで恐れられる。

鬼ヶ島から黒幕と親友の酒呑童子が、鬼の一族と共に本土襲来

鬼というだけで人間に迫害される

妖怪と勘違いされ陰陽師に討伐依頼殺到

黒幕の両親が陰陽師に殺される

本土の鬼の一族、酒呑童子を筆頭に人間の敵となる

酒呑童子、攫った女性との間に子を設ける。(ウシトラ誕生)

陰陽師と鬼の戦争

酒呑童子死亡、黒幕は復讐すると言い残し鬼ヶ島に逃げ帰る/幼少ウシトラ、安倍清明により保護される。清明はウシトラや逃げ遅れた鬼たちを全員保護。

ウシトラは人間と酒呑童子の相の子。

黒幕、鬼の一族に「人間悪いやつ」を布教、復讐の機会を伺う

鬼の残党である黒幕を負い、桃太郎(ただの強い人)が鬼ヶ島へ。一族征伐。「人間界を攻めない」ことを誓う一族。黒幕だけが、復讐を諦めなかった。

1200年に一度の幽解がやってくる。先代の十鬼隊、戦う。(白毫使いじゃないから、封印のお札で魔物を封印して戦う)。かなりの苦戦を強いられる(操獣の邪眼使いがいたから)

大人ウシトラ、白毫隊の一員として、一人の渡良瀬ノ巫女と鬼ヶ島へ。幽解を止めに来る

ウシトラ、「人間はいいやつ」を布教。しかも、人間である巫女が鬼の味方をしたことで、一族の間で「なんだ人間悪くないじゃん」が浸透。黒幕不服

幽解収束(黒幕は邪眼使いを助けて結託を結ぶ)

巫女、鬼との間に子を設ける。(ワラビ)←いよいよ黒幕はらわた煮えくり返る

黒幕は巫女にワザと怪我させる。「それを治す薬がある」と、ウシトラを騙し、猫又が封じられた香炉を掴ませる。弓を射って香炉を破壊。ウシトラに猫又の呪いをかけ、それを邪眼使いに操らせ、巫女を殺させる。邪眼使いが生きていることを知らないウシトラは自分が殺したと思い込む。その後も不本意に一族を傷付けていくウシトラは何者かにかけられた猫又の呪いを恨んだ。一族から封印されることになる。ウシトラは、呪いをかけた黒幕を恨んだまま封印された。

来たる次の幽解に備えて、新たな十鬼隊を育てる為、黒幕が棟梁となる。

が、これは表向き。

黒幕は、極秘裏に命を救った邪眼使いと結託。来たる1200年後の幽解の時に、魔物を本土に送り込み、人間を根絶やしにすることを企む。十鬼隊を訓練し、魔物に勝てるようにではなく魔物に力を与えられる存在に仕立て上げる(十鬼隊の武器は魔物に力を与えるもの、操獣の邪眼の力で魔物を操り、倒しているように見せかけていた。昔は封印するだけだったけど、今回は倒すことが可能になったと思い込んでいる十鬼隊)

黒幕1200年の間に万鬼殿を作り、そこで十鬼隊を育てたのだが、

その万鬼殿は、魔物を一気に本土へ送り込むために囲い入れるものである。

アザミの能力をもってして装置はついに完成する。

1200年経ちました

幽解の日が近づき、魔物が増える。十鬼隊頑張るけど苦戦。

黒幕に言われてキナコが本土へ、白毫使いとアザミを連れてくる。

白毫使いに毒を盛る黒幕

グロテスクでマコトしか食べない。トウギが毒を吸出し死なない。黒幕の計画失敗

計画変更、ウシトラを復活させ、白毫使いを倒そうとする。

エンが封印の岩に触れるとウシトラ復活

ウシトラは狂乱した白毫使いで、しかも妖怪と聞かされていたけど、

かわいらしい猫でびっくり

動物を操れる邪眼使いに操られウシトラはエン達を攻撃

ウシトラ逃走(ワラビだけが親の仇と思って殺したがっている)

巫女の敵を取りたいウシトラだったが、1200年経って相手が生きているかどうかもわからない。(黒幕年を取ってわからない)

ウシトラを見つける白毫使いは話を聞く。(ワラビだけは許せない様子。羽交い絞めにされる)

再びウシトラ狂乱。バトルに

そこで邪眼使いの存在に気が付く白毫使い

ウシトラ一時的に正気を取り戻す

あの世で鎧身に着け復活、あのセリフ言わせる

幽解始まる

合戦

アザミ攫われる

合戦に勝ったかと思われるが、倒されていたはずの魔物次々と復活。

パワーアップした魔物の軍勢が、万鬼殿に向かっていく。

黒幕によるネタバレ十鬼隊次々とやられ、ついにワラビ一人に

ワラビはウシトラをゆるし、助けを希う

黒幕の元へ向かう邪眼使いだが、もともと人間だったので黒幕に殺される

アザミの力でアザミ含め、魔物の軍勢と共に江の島へ。タワーが転送装置で、

タワーを建造した組織が織戸会という設定。

鬼ヶ島に閉じ込められる一同

来た時に運んでくれた竜も殺されている

筏作り、マコトの能力で急ぎ海を渡る

黒幕倒す

ウシトラ現世満喫

仲間に…。

◆ヒデジ編メモ

マコト、魔物との戦闘中、体内にウイルスのような魔物が侵入し倒れる。(魔物は倒す)。


トウギが吸い出そうとするが、ウイルスの増殖のスピードの法が早くて食い止められない。

付近に、あらゆる病を治せる「花」が咲く場所があると分かり、一同はそこへ向かう。

すると、その花は洞窟内に佇む巨大な巻き貝の最新部に咲いているという話だった。巻き貝は渦の頂点をしたにして、沢山の植物の弦に支えられながら立っていた。中には大量の水が入っている。

すると巻き貝の穴から水しぶきを上げて一人の人物が現れる。かつてマコトが戦った際に逃げた、マコトが因縁の相手と勘違いしていた人物だった。

事情を聴く一同。

男のはおじいさんの白毫使いで。ヒデジと言った。ヒデジは若い頃から白毫の力に目覚めていた。ヒデジは植物が好きだった為、海の底に咲くという伝説の花の事を知っていた。そして病の彼女のを救うため、その花を取りに行った。白毫の『植物を操る力』を使って植物で改訂にトンネルを作り、その花を見つけ出し、彼女の病を治した。その時の彼女の笑顔が忘れられなかった。海から上がった花は直ぐに枯れてしまった。後にその彼女を妻に迎えたが、再び妻が病にかかってしまう。今度は不治の病だった。ヒデジは妻を直してもう一度笑顔がみたいと願い、伝説の花を自分の手で作り出そうと思い研究に没頭。しかし、その姿をみた妻は、ヒデジが侵食も忘れて苦心する姿を見て、日に日に笑顔を無くしていった。そして結局研究が実を結ぶこと無く妻に先立たれてしまったヒデジ。その後、もともと白毫使いであったヒデジは幸愛会の人間に見いだされ会に入信。そのまま操られてしまったとのこと。マコトのお蔭で正気を取り戻した今、花のある場所をしってそれを取りに来たのだと言う。こんどはその花を手に入れて、不治の病で苦しむ人たちを助けたいのだという。しかし、巻き貝の中は不思議な術が施されていたため、自らの能力は通用しないらしい。しかも酸素ボンベを背負っていると水が逆流し、最新部まで潜れないとのこと。ヒデジは自分の体力だけでその花を手に入れようとしていた。

伝説のによると、初めて伝説の花を見つけた人物はあまさんだったようだ。類いまれなる潜水能力を持っていた彼女は。ある時海野底でこの花を見つけたのだ。病を直してもらおうとその人物のところに人が殺到するようになり、いつしかそれで争い事も起こるようになったため、陰陽師に頼み自分だけが息が続くような場所にその花を沈めたのだ。それがこの洞窟の巻き貝のだったのだ。

ウシトラが直接巻き貝を割ろうとするが壊れない。倒してみるが水は不思議な力で外に出てこない。途方に暮れる一同。

そんな中マコトが現れる。自分なら潜れる。自分の身は自分で守ると言い放ち、変神して潜る。

やはり水は逆流して侵入を拒んできたが、トウギの持っている水の能力があったため潜っていくことが出来た。

外にはマコトを阻止すべく魔物が現れる。戦うバスターズ達。

ウイルスが身体中に回っているマコトは意識がもうろうとし始める。そして中々先に進めないでいた。大ピンチ。

外では何とか魔物達を倒す一同。

マコト帰ってくる。浮かない表情。

ヒデジは直ぐに気がつく。花は既に枯れていたのだ。


もし咲いていたら、マコトの治療の分だけでなく、ヒデジが今後研究で使うことが出来たのだが残念ながら枯れていたた。ヒデジは今ここでマコトを治療するか、見捨てて今後多くの人間を救うために花のDNAを持ち帰るか選ばなければならなかった。

ヒデジは「今この場で死にそうな人間を見捨てることはできない。それにマコトは命の恩人だ」。そういって伝説の花をその場で煎じてマコトに飲ませる。

マコト復活。マコトキレる。「どうして俺を助けた!? この花があったら今後エンが病気になった時にいつでも救うことができるのに!」そう言った直後、ヒデジを抱きしめ、「俺のために……ありがとう」と言う。

ヒデジは顔を赤らめる。

エン、ヒデジに仲間になるよう打診する。

ヒデジ仲間になる。その際「こんなイケメンがいるなら喜んでついていくぞい」という。ヒデジは両刀だった。←オチ

◆ブロム出生に関して

本名はブロム・ライオット・ドイル

生まれはイギリスのロンドンであり、コナンドイルの血を引いている(コナンドイルに直系の子孫はいないとされている。)

(正確にはコナンドイルの娘ジーン・アレットが74才の時に宿した赤子が能力者でありブロムであった。)

生まれた瞬間、ジーンの命を狙う魔物化したコナン・ドイルの息子キングスレイと対峙し、その際彼女を守るようにセルガイアの能力を開眼させていた。(キングスレイは心霊研究協会の異端者に操られ、心霊研究会を裏切り脱退したコナン・ドイルの一族を根絶やしにしようと付け狙っていた。)

コナン・ドイルと息子のキングスレイは心霊研究会に所属していたが、キングスレイは第一次世界大戦で負傷し、その後スペイン風邪で亡くなった。彼は生前戦争を憎んでおり、霊的な能力を軍事利用しようと目論む異端者側のやり方を恨んでいた。そんな彼は死後心霊研究会の実験材料にされた結果魔物になり、心霊研究会のメンバーを襲い始める。研究会のメンバーの異端児達は魔物となったキングスレイを手なずける事に成功する。しかしその異端者のやり方を不服としたコナンドイルは所属していた心霊研究協会を脱退。独自にキングスレイを救う方法を探すうち何時しかゴーストハンターを開業していた。キングスレイは幾度となくコナンたちゴーストハンターに襲いかかった(研究会の内情を知っているドイル一族を抹殺すべく、キングスレイにドイルの血筋を消すように操る術を施している)。コナン・ドイル没後、長女メアリーは、ロンドンで心霊主義関連の本屋を経営し、そこでアーサーの息子たち5人とゴーストハントしていた。この時もキングスレイは幾度となく襲いかかってきたがどうにか対処していた。

一番下の娘ジーンは晩婚だった。晩年ブロムを身ごもった。

出産の時にキングスレイに襲われそうになった所を開眼した赤ちゃんブロムに救われる。

キングスレイの魔の手からブロムを遠ざけるため、そして彼女自身老体であったため、仲間のゴーストハンター達と協力、やむを得ず魔物から姿を眩ませられる呪文の書かれた布を巻き付け海へと流した。

辿り着いた先が日本であった。ブロムが首から下げているロケットには、ジーンとその手に抱かれた赤子の写真、そして“ブロム・ライオット・ドイル”と掘られている。

やりたい事

 後半のコナンの血筋編で、海外での白毫使いを登場させることにより世界観を広げる。

かつて、アーサー王もそうであったと言う説明も入れたりする。

白毫と魔物についての研究機関SPR(心霊現象研究会)があるという事も判明する。

◆イタコが潮来になる話

行脚の旅の途中で、イタコ頻繁にキリヤの動画を観るように。

メンバーからちょっとだけ煙たがられるようになる。

魔物を探知

現場にいくと、魔物に人が襲われている。

戦うが、魔物は金庫に宿っていて、倒そうとすると引っ込んで鍵をかけてしまう。


襲われていた人に事情聴取。亡くなった人の遺品整理に来ていたところを襲われたらしい。亡くなった人は生前開かずの金庫に執着したまま亡くなってしまったそう。あまりにもその念が強くて魔物にかなっしまったのだ。

バスターズが現場を離れたら、多分また出てきて人を襲ってしまうだろう。しかし、金庫の番号を知っているのは、遥か昔に亡くなったこの家の先祖だけ。途方にくれる一同。

そこで、「力になれるかも」と声を上げたのはイタコだった。イタコはキリヤの動画を観て、自分にも霊力を宿せる方法がないかずっと探っていたのだ。

勉強した潮来の呪文、『ひふみ祝詞』を試してみると、なんと先祖霊が憑依。見事金庫を開けることに成功。

魔物を倒すバスターズ。イタコに謝罪。

◆フランとドグマの過去編メモ

 

平安時代。魔物の居場所が分かるというマレビトだった巴は、村人に気味悪がられて迫害を受け、舌を切られて山に捨てられてしまっていた。そこを道満に助けられた。道満はソングに実験を頼み、巴を邪眼使いとして覚醒させる。その弊害で、巴の攻撃的な側面が別人格が現れフランが誕生する。フランは喋ることが出来る。フランの能力は魔の瘴気を毒として相手に注入するというもので、臨獣は蜂である。フランの状態は道満に嫌われており、すぐ感電させられて巴の状態に戻されてしまう。ある日、巴は道満の船の中で、他の道魔にいじめられている奇形の道魔を目の当たりにする。その奇形の道魔がかつて村人に迫害されていた自分の姿と重なり、救いの手をさしのべた。その奇形の道魔こそがドグマであり、巴を守るために強くなった。そして道満に認められソングの実験対象となり、魔物にして初の『邪眼使い』となってフランの相棒となった。

◆破魔の酒編メモ

【前情報】

 魔物に襲われ目が見えなくなった酒蔵の跡継ぎの少女。目が見えなくなってから、魔物にやられて傷付いた人を癒すことのできる特殊な酒を造れる特殊能力に目覚めている。自分の目もこの酒があれば治療できるのだろうが、他の人々を治療したいという理由で飲んでいない。

ウシトラ、エンの魔の毒を消すために現地に訪れる。

酒蔵の少女に出会って事情を全て聞く。

目が見えない少女に見た目が怖がられないため好都合のウシトラ。

酒を手に入れようとするが、そこに甦ったザンキが現れ妨害。

ザンキ強い。早すぎて対抗できないと思われたが、一か八か酒を飲んでみるとウシトラの妖魔の部分を消し去った為、ウシトラ人間の姿に。俊敏に動けるようになり、鬼である父に修行をされた経験があったため強い。ザンキに対抗できるようになる。

強いものと正々堂々戦いたかったザンキ、面白くなる。

やはりザンキは強かった。しかもウシトラは『魔物』ではない為、酒の効果がだんだんと消えようとしていた。

そんな中ウシトラ吹っ飛ばされ、ザンキは酒蔵の樽ごと刀で叩ききろうとする。

少女が現れ、ウシトラのと酒樽を守ろうとする。

少女蹴られて吹っ飛ぶ。酒樽斬られる。

目的を達したザンキは、ウシトラとの勝負をお預けにしてその場を去る。

少女の元へ駆け寄るウシトラ。少女死にそう。そんな少女は懐に、瓶に入った少量の酒を隠し持っており、それをウシトラに差し出す。

せめて最後に、とウシトラはその瓶の酒を少量少女に飲ませる。めが見えるようになる少女はウシトラの姿を見て「素敵な人」と言い残して絶命。しかしその時すでにウシトラの姿は獣人に戻っていた。

悲しい回ですねー。

ウシトラ、ザンキへの恨みを残しつつバスターズの元へと向かう。


◆晴明と道満の過去


晴明は青年期、かなり嫌味でいけすかないやつだった。

道満が晴明の所へやってきて呪術で勝負を仕掛ける。勝った方が弟子になるという条件付き。始めに道満は、庭の砂を手にすると、それに念をかけ空に投げました。すると砂は無数のツバメに変わる。晴明は、手にした扇で一打ちしツバメを元 の砂に戻す。今度は、晴明が、呪文を使って天空から龍をあらわし、辺り一面に雨を降らせます。それを見た道満は、仕返しとばかりに龍を消そうとするも、どれだけ術を駆使しても龍は消えない。それどころか、雨はどんどん激しさをましていき、腰の高さにまで水位が増そうかという時、再び、晴明が呪 文を唱え、雨はぴたりと止まる。最後の勝負は、木箱の中身を当てるという勝負。「これに負けたら弟子になる」と道満は宣言します。道満の答えは、「木箱の中身はミカンが十五個」。中身を知っている天皇や公卿たちは晴明の負けを確信したが、晴明は「ネズミが15匹」と答えその通りに。道満は晴明の弟子となる。
調子こいている晴明のことが気に入らなかった道満。いつか晴明のことを出し抜いてやろうと思っていると、部下の内密な話を聞いてしまう。それはあの勝負の日、道満に中身を当てられてもいいように、事前に地下に穴を掘り、道満が答えた直後に中身をネズミに入れ換えたという話だった。悔しく怒りを露にする道満。晴明を問いただそうと彼の元を訪れると、自らの想い人であったムラサメといい感じになっている現場を目の当たりにする。(いい感じになっていないのだがそう見えてしまう)。いよいよ怒り心頭の道満は、ムラサメの手を引き連れ出すと、陰陽寮から陰陽伝を盗み逃走。陰陽伝の闇の部分に取り憑かれ、それ以来闇の陰陽師となり晴明を亡きものにせんと執拗に攻撃を仕掛けるようになる。